虹
雨が降った後の空気中には、たくさんの小さな球形の水滴が漂っています。 このたくさんの小さな水滴がプリズムとおなじような役割をして光を分散させ、虹をつくるのです。したがって、虹が出ることは太陽が出ている反対側に雨が降っていることが条件です。 ただし、球形の水滴の中での光の道筋は三角形のプリズムと違い、少し複雑になります。 空中に浮かんだ水滴に太陽の光があたると、光は水滴の表面で反射したり、再び表面で屈折して水滴の中に入っていきます。 水滴の中に入った光は、その一部が水滴内で反射し、再び表面で屈折して外へ出てきます。 水滴の表面で反射された光は、水滴のどこに当たるかによって、様々な方向に反射されてしまい、 とくにどの方向に強くなることもありません。 また、水滴の中にいったん入り、水滴を通過して出てきた光も同じです。 ところが、水滴の内側で一回反射して出てきた光は、光の波長による屈折率の違いから特定の角度へでていきます。 この角度が、赤い色の光では約四十二度。青(紫)色の光では約四十度になります。 空中に浮かんだたくさんの水滴のひとつひとつでこのような光の屈折が起こり、虹ができるというわけです。 「水滴は浮かんでいなく、落ちてくるよ。」って?でも、次の水滴が代わりに上から落ちてくるので大丈夫です。
ちなみに、この虹の上側にもう一つ見える虹を「副虹」といいます。 光が水滴の中を反射する回数が二回となるとき、副虹が見えます。
副虹は主虹と違い、内側が赤色、外側が紫色というように、色の順番が逆になります。 また、主虹にくらべてぼんやり見えるので、よく探してみてください。以下の写真には副虹が写っています。
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◎【動画:実験室で再現した虹を見てみる】 黒い紙には全体に細かいビーズが貼りつけてあります。(右写真参照) ビーズはここでは空気中の水滴の役割をしています。 そこに光を当て一定の角度から観察すると、虹が見えます。 |
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