サマリア文字


サマリア文字は、フェニキア文字の一種である古ヘブライ文字から派生した文字で、サマリア人が話した古典ヘブライ語の方言のサマリア語を記すのに用いられました。典礼言語としてのサマリア語の文字として、形式上は存続し続けています。

ジャワ文字


インドのブラーフミー文字を起源とする。マジャパピト朝(13c~16c)より使用が始まり、ジャワ語を記すために使われた。

シャン文字


シャン文字は、ビルマ東部のシャン州で話されるシャン語(タイ系)を書き表すための文字。ビルマ文字をもとにして、おそらく15世紀以降に作られた。

シュメール文字


紀元前三十二世紀ごろにメソポタミアで作られた文字。人類最古の文字。

小アジア文字


古代小アジア(今のトルコ)の文字。詳細不明。

女真文字


女真文字は、女真族が十二世紀に作った文字。漢字と契丹文字の影響を受けているが、系統はアルタイ諸語の属するツングース系。完全には解読されていない。

シリヤ文字


シリア文字は、中東のキリスト教徒の言語であるシリア語の表記で使用される音素文字。アラビア文字と同様に右から左方向に続け書きし、母音は文字の上下に記号を付けて表す。
シリア文字には様々な書体が存在し、初期の書体であるエストランゲロ体の他、西部シリアのセルトー体、東部シリアのネストリウス体が存在する。

シンハラ文字


シンハラ文字・スリランカ文字とも。ブラーフミー文字を起源として紀元前200〜100年頃に使用がはじまり、現在もスリランカの地域で現用されている。渦巻状の形が特徴。これは当時、破れやすい葉に文字を記していたため(直線では破けてしまう)と思われている。また、独自の数字を持つが、現在はあまり使用されていない。

西夏文字


西夏文字は、タングート族西夏で用いられた表意文字。1036年に公布され、約400年間使用。縦書きで、楷書、行書、草書、篆書の書体がある。総数六千数百字。日本の西田竜雄によって、大部分が解読された。

線文字A


およそ紀元前18世紀から紀元前15世紀頃までクレタ島で用いられていた文字である。イギリスの考古学者アーサー・エバンスは、1900年のクノッソス発掘に際して、3種類の文字群を発見し、それぞれ聖文字式文字(ヒエログリフィク)、線文字A、線文字Bと命名した。線文字Aは、クレタ各所の広い範囲に渡って出土しているため、クレタの共通文字とされる。しかし文字が刻まれた粘土板自体の品質が悪く、数も少ないこと、文章の体裁に一定の法則が成り立っていないことなどから現在まで解読には至っていない。

 

線文字B


紀元前1450年から紀元前1375年頃までミュケナイ時代に、ギリシャ本土からエーゲ海諸島の王宮で用いられていた文字である。1900年にクレタ島のクノッソス宮殿跡から出土した粘土板に刻まれていた文字群の一つで、発見者であるイギリスの考古学者アーサー・エバンスにより線文字Bと命名された。同時に発見された線文字Aから派生したとされる。線文字Bは、書簡や論文などには使用されず、また、文字が書き留められた粘土板は、人為的に焼成されていないことから、単純に記録を伝えるためだけに用いられたものと考えられる。ベントリスらによって1900年代半ばに解読された。

ソグド文字


ソグド文字は、シリア文字(あるいはアラム文字)から派生した、ソグディアナのソグド語を表記するための文字。ウイグル文字やモンゴル文字の元となった。

タイ文字


タイ文字の起源はスコータイ朝の第三代ラーマカムヘン王によって制定されたスコータイ文字にある。スコータイ文字は、クメール帝国の文字を基礎にタイ語に適するように造られた。クメール文字は文字の上下に母音記号をつけていたが、タイ文字はそれを廃止して位置を左右に限定することで各行の文字が突き出ることがなく、一行にすっきりと収まるようなった。しかしタイ文字はイ母音とウ母音の記号が上下に戻るというような後戻りした歴史もある。その後、タイの王朝が変わっていく中で細かな変化を繰り返し今の文字に至る。

タガログ文字


タガログ文字(バイバイン)は、ブラーフミー文字を先祖とする文字。過去のフィリピンでタガログ語など、様々な言語を表記するために使用された。

タグバンワ文字


タグバンワ文字は、フィリピン先住民が使っていた文字。現在はタグバンワ族がタグバンワ語を書くために使われる。

タミール文字


タミール文字は、タミール語等で使用される、インドの表音文字のひとつ。紀元前四〜五世紀に北インドで用いられたブラーフミー文字をその源とする。現代タミール語には12の母音字、18の子音字に加えて6の外来語用の子音字がある。

チェロキー文字


オクラホマに住むシクウォイア(1767?-1843)が19世紀に作った文字。チェロキー語を記すという明確な目的をもって作られた。それまでその地域に文字は全く存在しなかったにもかかわらず、一人の人物によって開発された文字が公用語となったのは世界史上唯一のできごとである。チェロキー文字は現在も一部地域で使用されている。

チェンマイ文字


タイ北部のラオ文字。詳細不明。

チベット文字


チベット文字は、チベット語に用いる文字。子音字30,母音記号4からなる。北方インド系グプタ文字に由来するといわれる。楷書体と行書体があり,左から右へ書く。最古の文献は8世紀にさかのぼる。

チャクマ文字


チャクマ文字は、バングラデシュ東端のチッタゴン丘のチャクマ族の文字。