ホタン文字


現在の中国新疆ウイグル自治区にあたるホータンで使われていた文字。詳細不明。

ポラード音票文字


ポラード音票文字は、雲南の少数民族の言語を表記するため19世紀にポラードによって造られた文字。

マイアラ文字


南米チチカカ湖周辺のマイアラ族(インディオの一部)が使用した古文字。起源、その他不明。

マヤ聖刻文字


マヤ聖刻文字は、かつてマヤ文明において使用されていた、マヤ語を記すための象形文字。現在のメキシコやグアテマラ等の地域において、紀元前3世紀から16世紀まで栄えていたマヤ文明で使われていた。文字は人や動物の頭をかたどった物や、幾何学的な図形等から成っており、その種類は4万種に及ぶ。

マラヤラム文字


マラヤラム文字は、インド南部の主にケーララ州で話されているマラヤラム語を表記するための文字。ブラーフミー文字を先祖とし、タミール文字に似ているが文字数が多く、結合文字も複雑なものが多い。

満州文字


満州文字は、満州族が満州語の表記に用いてきた音素文字。清の太祖の時にモンゴル文字を応用して用いることになり、2代太宗の時にこれらの文字に丸や点を付するなどの改良をして成立。
満州文字は、母音字6個と子音字19個で表記される表音文字。縦書き専用の文字で、行は左から右に進む。各文字は、語頭・語 中・語尾により異なった字形を持つ。

南アラビア文字


南アラビア文字は、紀元前9世紀?紀元後7世紀頃に現在のイエメン周辺地域でかつて使われていた南方セム語の古典アラビア語を表記するために用いられていた文字である。字形・発音などからして、ウガリット文字や原カナン文字・フェニキア文字など、他の古いセム系文字と関連があることは間違いないが、どのような過程を経て成立したかは分かっていない。この南アラビア文字からは、ゲエズ文字が派生した。現用はなく、歴史的文字である。

メロエ文字


メロエ文字は、古代エジプトの神聖象形文字と民衆文字に起源を持つ音素記号。

モンゴル文字


13世紀にウイグル文字から派生した。モンゴル語を記すために使用される。縦書きにすることが一般的であるが、日本語とは逆で左から右へ行が並ぶ。近代ではもっぱらキリル文字に取って変わられたが、近年その利用が見直されている。

ラオ文字


ラオ文字はタイ文字に近く、タイの北部チェンマイあたりで使われるチェンマイ文字を西ラオ文字、現在ラオスで使われるのを東ラオ文字ともいう。東ラオ文字は1960年に文字改革が行なわれ、書体綴字法とも大巾に合理化され、更にタイ文字に近くなった。文字はすべて子音字で母音と声調は付加記号で示す。

ラテン文字


古代地中海で一般的に使用されたフェニキア文字とギリシャ文字は、各地の民族によって自国語用に導入され種々も変化を生んだ。中でもギリシャの有力な植民地であったイタリア半島ではエトルリア人がギリシャ文字を導入し彼らの言語に合う様に改良した。このようにしてエトルリア・アルファベットが完成しラテン・アルファベットとして発展していった。その後、ローマ帝国がラテン語を公用語として採用し、ラテン文字は全ヨーロッパに広がった。ローマ帝国が滅びた後も、ラテン語はキリスト教とともに全世界に広がり続けていった。

ルーン文字


スカンジナビア語やゴート語が由来。ゲルマン族がギリシャ文字やラテン文字を参考にイタリアで発明された。3世紀〜17世紀にかけて使用。今もアイルランド語においてその名残を見ることができる。

ロシア文字(キリル文字)


主としてスラブ諸語を表記するのに用いられるアルファベットの一種。ギリシア文字から派生した文字で、その誕生には東方正教会が深くかかわっている。現在では、ロシア語、ウクライナ語、ベラルーシ語、ブルガリア語、セルビア語、マケドニア語等のスラブ諸語と、ロシアの強い影響を受けたカザフ語、キルギス語、タタール語、モンゴル語などの旧ソ連内外の諸民族の言語に用いられている。

ロロ文字


ロロ文字は、中国の四川および雲南等に住む少数民族であるイ族の言語・イ語で用いられる音節文字。

ロンゴロンゴ文字


イースター島で使用。おそらく独自発達したとされる。19世紀に発見されたが、現在も未解読であり、使用時期も不明である。発見されている文字のほとんどは木材に記されているもので、絵文字に近い。しかし、これら絵文字が現代のような「文字」として使用されていたかははっきりしておらず、根本からの議論が行われている。