日本の宇宙開発の深い理解を目指す
ー地球へのみちのりー
はやぶさが撮影した地球(c)JAXA
イトカワを離陸し、地球への帰還をめざしていたはやぶさ。
新たな問題に襲われることになる。
「なんと、2回目の燃料漏れをしてしまったのじゃ。 イトカワへの着地時、はやぶさへの燃料弁の命令が うまくいっていなかったのじゃ。」 |
「えぇ…!?」 |
「これは、「地球への帰還予定を3年延長し2010年6月にする」と発表。 プロジェクトに大きな影響を与えた。 燃料で、はやぶさの姿勢も制御していたため、 うまく地球との交信ができず、はやぶさはどこかに 行ってしまったのじゃ。広い宇宙のどこかへ。」 |
「帰って来れないんですか…」 |
「諦めなかった。はやぶさにあてもない広い宇宙に信号を送り続けた。 46日後はやぶさから微弱信号を受信! はやぶさの位置が判明したのである。 これは奇跡に近かったのじゃ。」 |
「運も味方してくれたんですね!」 |
「そして、3年後の2009年まで、 イオンエンジンが不調になるなどアクシデントが発生したが、 想定内であった。 じゃが、2009年10月、問題が起きる。 イオンロケットすべてが凍結停止してしまったのじゃ。」 |
「もう動かなくなったということですか?」 |
「そうじゃ、もう、地球帰還まであと7ヶ月… 帰還を目の前になすすべがなくなったのじゃ。」 |
「これでさよならですね… ありがとうはやぶさ」 |
「また、研究者たちはやってのけた。 最後の一手をうつことになるのじゃ。 はやぶさは工学的実験機でもあるので、 様々な仮想装置をつけていたのじゃ。」 |
「仮想装置?どういうこと?」 |
「理論上は起動するが、実際にやってみたことのないので、 運用できるかわからないもののことじゃ。」 |
「ほうほう、それはどういうものだったの?」 |
(c)JAXA
「イオンエンジンは中和器とスライダーで1セット×4(A、B、C、D) できているのじゃ。 イオンエンジンA用の中和器Aと イオンエンジンB用のスライダーBを組み合わせることによって、 動力を得た。 クロス運転と呼ばれたのじゃ。」 |
そして、はやぶさはやっと地球への帰還を果たす…