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~鉄~
●鉄スクラップとは
鉄スクラップとは金属製品の廃物のことを指し、
大きく分け『自然発生スクラップ』と『市中スクラップ』の二つに分類することができます。
前者の自然発生スクラップは製鉄メーカで製鉄や加工の際に出るスクラップのことです。
この鉄スクラップは、製鉄の工程内で再利用されており普通出回ることはありません。
そのため、一般的に鉄スクラップと呼ばれるものは主に市中スクラップのことで、
このページで解説しているのも主に市中スクラップこととなります。
ちなみに日本で生産される鉄は約30%が鉄スクラップから生産されています。
したがって鉄スクラップのリサイクルは資源の節約に大きく貢献しているのです。
●リサイクルの流れ
鉄スクラップのリサイクルにおいてまず初めに行われるのが加工処理です。
これは鉄スクラップを鉄鋼にするための前準備になります。
しかし一言に鉄スクラップといっても様々な鉄スクラップが存在し、
それぞれにあった加工処理をしなくてはなりません。
それぞれ適切な加工処理を行われた鉄スクラップは、
その後に電炉法によって鉄鋼に作りかえらえられていきます。
●作業工程
①加工処理
ⅰ:プレス加工
空き缶や新断くず(鋼板を切断したとき発生する端切れ)などを
型に入れ圧縮し、箱型にまとめる加工方法です。
主に薄い材料でできている際に行われる加工処理方法です。
ⅱ:シャーリング加工
パイプ等の分厚く長い材料を一定の長さに切断する加工方法です。
この方法は現在最も多く使われている加工処理方法でもあります。
ⅲ:シュレッダー加工
プラスチックやゴムなどの不純物が多く含まれているものを処理する方法です。
金属以外の物質は、シュレッダーを行う装置に取り付けられている
ハンマーと呼ばれる刃で粉砕し分別していきます。
ⅳ:ガス切断加工
ガスバーナーを用いて手作業で材料を溶断する処理方法です。
サイズが大きく、上の加工処理方法で処理できない際に行われます。
また、この後さらにシャーリング加工が行われる場合もあります。
②鉄鋼の製鉄
電炉法という電気を利用した炉(電気炉)を使用した製鉄方法によって
融解、成分調整が行われ、鉄鋼へと作り変えられていきます。
こうした工程を経て鉄鋼となった鉄スクラップは加工され新たな鉄製品の材料へと生まれ変わっていきます。
●鉄スクラップのその後
再生された鉄スクラップは、棒鋼やH型鋼などの建築材料となる鉄骨や、
スチール缶などを代表とし様々な鉄製品に再製品化されていきます。
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