大分の史跡探訪 > 口戸磨崖仏
◆石仏なのに神様!?
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大分市の南部、稙田地区にある口戸磨崖仏(くちどまがいぶつ)。
木々が生い茂った藪の中を進んでいくと、目の前に洞窟が現れます。幽霊でも出てきそうな雰囲気の場所ですが、これこそが口戸磨崖仏で、洞窟の中に仏像が彫られています。 |
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その洞窟内に入ってみましょう。洞窟内は3つに分かれており、それぞれに1体ずつ仏像が彫られていますが(一番右が写ってませんが...)、これは左側から撮ったもの。
・・・おやおや、左の仏様の周りには、赤い屋根のようなものが彫られていますね。何で仏様なのに、神社のような建物の中に入っているのでしょうか?
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中央の仏様を見てみますと・・・おや、左側に何やら文字が彫られています。これは「小倉山(おぐらやま)」と書かれているのですが、一体これは何を表しているのでしょうか?
「小倉山」とは、八幡宮の総本山・宇佐神宮(宇佐市)の別称です・・・とこれでピンと来た方は大正解!実はこれ、仏様の姿をした神様なのです。でも、何で神様が仏様の姿をしているのでしょうか? |
第二龕・比売大神(ひめのおおかみ)
第二龕には、右腕を頬に当て、右足を左足の上に組んだ半跏思惟形の女神像が彫られており、これは宇佐神宮二之御殿の主祭神、比売大神を表したと考えられます。この第二龕の左側には「小倉山」という文字が彫られており、これが宇佐神宮の別称であることから、この磨崖仏が宇佐神宮を勧請(かんじょう)したものであることが推測できます。
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第三龕・応神天皇(おうじんてんのう)
第三龕には、右足を左足の上に組む半跏の姿をした僧形像が彫られており、これは宇佐神宮一之御殿の応神天皇であると思われます。宇佐神宮では八幡大神(はちまんおおかみ)と呼ばれ、武運の神として全国の武士が崇敬しました。
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