虎穴に入らずんば虎子を得ず
虎子は手に入れたいものであって、虎の子供だからといって恐れる対象ではない。
「まだ自分が悪いのか分からないのにわざわざ謝りに行く必要はないよ。虎穴に入らずんば虎子を得ず、まだ様子を伺うべきだ。」
「いくら不得手なことでもやってみなきゃわからない。虎穴に入らずんば虎子を得ずだ。」
紺屋の白袴
服屋自慢の白袴、といった響きに聞こえるかもしれないが、紺屋とはただの服屋ではなく、染物屋のこと。
「ただでさえおしゃれな彼が一張羅を着ている。紺屋の白袴だ。」
「彼の家はブランドものの服屋なのに、彼はボロボロのTシャツを着ている。紺屋の白袴だ。」
雀百まで踊り忘れず
いい意味では使われない。
「彼女はもうピアノを習ってないけれど、未だにすごくいい演奏をする。雀百まで踊り忘れずだね。」
「あいつ小学生の頃から物忘れがひどいんだ。雀百まで踊り忘れずとはこのことだ。」
船頭多くして船山へ上る
その問題に対して不得手な人達でも集まったらどうにかなる、という意味ではなく、むしろおかしな方向にいくという意味。
「勉強は出来ても運動が苦手な人が集まったチームだけど、まあ勝てるんじゃないかな。船頭多くして船山へ上るだ。」
「勉強は出来ても運動が苦手な人が集まったチームだったから、できもしないのに戦略だけ細かくておかしかった。船頭多くして船山へ上るだ。」
月夜に提灯
夜に提灯だとまるで使えるもののたとえのようだが、ここでは月夜は十分明るい。使えないもののたとえである。
「友達に答えを教えてもらったけれど、この単語があってるのか不安だったから辞書を借りることができて助かったよ。まさに月夜に提灯だ。」
「目の前にパソコンがあるのに辞書はいらないよ。月夜に提灯だ。」
出る杭は打たれる
できない人、欠点のある人が打たれるのではなく、できる人、長所のある人が打たれる。
「あいつ赤点をあんなにとって、そのうち先生に叱られるだろうな。出る杭は打たれるぞ。」
「あの子はモテるから周りの女子に色々言われているらしい。まさに出る杭は打たれる、だ。」
隣の芝は青い
青い、というとマイナスイメージのようだが、むしろ羨ましく思っていることのたとえ。
「私の点数も悪いけれど、あの人と比べれば私のほうがましだ。隣の芝は青いな。」
「私が買えなかったものをあの子は買えたらしい。隣の芝は青いとはまさにこのことだ。」
泥棒捕らえて縄をなう
縄をなう、というのは縄を作ることで、人を捉えて縛る行為のことではない。
「ついに泥棒を捕まえた。泥棒捕らえて縄を綯う。今連れてきているところだ。」
「明日がテストだと今更気がついたのか。泥棒捕らえて縄を綯う、もう手遅れだよ」
瓢箪から駒
できないことをいうのではなく、できないと思っていたことができてしまったときに使う。
「今日の夜から一夜漬けして満点をとるなんて瓢箪から駒だ。望みが高すぎるよ」
「あいつ一夜漬けで満点とったらしい。信じられない。瓢箪から駒だ」
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