説明
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辰砂は、明るい朱色や濃灰赤色を示すのが特徴的な、古代から水銀の材料として重宝されてきた水銀硫化鉱物です。
結晶は滅多に産出せず、塊状、粒状の集合体となって発見されることが多くなっており、他の鉱物の周りを覆った状態となっていることもあります。
熱水鉱床の中で石英や黄鉄鉱などとともに産出し、温泉の周辺でも見つけることが出来ます。
また、中国の辰州(現在の湖南省)で良質のものが産出したことが名前の由来となっており、以前はその鮮やかな赤色から朱砂と呼ばれていました。
また古代の中国では辰砂は不老長寿をもたらす薬であると考えられていて、秦の始皇帝もこれを求めたと伝えられています。
また、日本でも縄文時代後期から死者の再生を願う朱施という習慣が存在し、死者を赤く塗るために辰砂が使われていました。
他にも仏像に金メッキを施す際の水銀を取りだしたり、赤色の岩絵の具としても利用されたていたと言われています。
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