説明
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緑柱石はペグマタイトや変成岩、熱水鉱脈中で見られる珪酸塩鉱物で、ベリリウムやアルミニウムを含んでいます。
宝石としての、エメラルドやアクアマリンといった名前を聞いたことのある人は多いのではないでしょうか。宝石名の違いからも分かるように、鉱物中に含まれる元素の種類によって色や価値が大きく異なるのが特徴です。例えば、世間でも高価な宝石であるエメラルドの緑色はバナジウムと微量のクロムによるものであり、比較的安価なアクアマリンの水色は鉄分によるもの、ピンク色はマンガン、赤色は酸化マンガンによって発色しています。また、同じ鉄分でも三価の鉄であった場合は黄色に色づき、ゴールデン・ベリルと呼ばれるようになります。
このような成分の違いは、緑柱石が産出する場所の環境に因って生まれています。ほとんどの緑柱石がペグマタイトの中で産出されますが、このペグマタイトの中にはクロムやバナジウムなどがほとんど入っていないため、アクアマリンとして表れます。一方、エメラルドが産出する場所はクロムやバナジウムが含まれるところや、特殊な熱水作用があったところに限られてしまっており、それにより希少価値が高まっているのです。
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