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UDの対象

~年齢別の特徴に対するUDを扱ったページです~
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年齢に対するUD

 世界中どこでも、赤ちゃんからお年寄りまで、様々な年代の人がいます。今、この説明を読んでいるあなたは、最低でも赤ちゃんは経験しているでしょう。体が小さく、何もわからない赤ちゃん、親を離れて自分たちだけで学校に行き始める子供、おなかが大きくなり体が思うように動かない妊婦、足腰や腕の力が衰えてしまうお年寄り、のように人は年を取っていきます。そこで、それぞれの年代ごとに異なる、通常のモノやサービスに対する問題点が発生します。これらの問題点は、生きていく上でほとんどの人が直面する、私たちに一番身近な問題であるといえます。
 例えば、物心がついていない赤ちゃんが使う食器や家具、遊び道具などには通常のものより安全性が求められますし、お年寄りが使う交通機関や病院などには段差などがあっては使いづらくなってしまいます。ここでは年代別に普通のデザインに対する問題点が何なのか、その解決策としてどのようなUDが挙げられるかを紹介しています。

乳幼児~卒園

 乳幼児から小学校入学の直前まではまだ学ぶことが多く、身近なところに危険や落とし穴が潜んでいることが多いです。例えばバスやエスカレーターなどにある小さな段差は、大人でもたまに転倒してしまう人がいますが、これらは小さな子供にとっては大きな障がいになりえます。こういった小さな段差を極力減らすために、例えばバスであれば「ノンステップバス」とよばれる、ステップが無いバスが全国各地で運行されています。
 他にもより身近な場面として、字がまだ読めない子供を対象に、幼稚園や保育園、自宅にあるおもちゃ箱に字の解説のほかに写真やイラストを一緒に付けることで何が入っているのか視覚的に理解しやすくするなどの工夫ができます。
 未熟な子供がより安全に、周りと公平に遊びまわれるようにするため、危険を取り除いてかつ直感的に理解できるような工夫が求められることが結論として言えます。

小学校~高校

 初めて多くの同年代の生徒と集団行動を行う場となる学校でも、多くの工夫がなされています。例えば、小学校で誰もが机の中にしまってあった「おどうぐばこ」の中や教室の至る所にあるものがUDになっています。プラスチックカバー付きハサミや、グリップのついた安全な画鋲など、安全に使えるようにしたものから、両利きハサミやめもりが二つ付いた両利き用の定規など、人を選ばない自由度の高い文房具がこの一例として挙げられます。
 学校の校舎に施された工夫としては、窓からの転落防止のために10センチほど空いたところでストッパーがかかるようにしているほか、骨折してしまった生徒などのためにスロープを設置している学校も多くあります。
 集団行動を学ぶ場である学校には、大人数が高い自由度で公平に、安全に過ごせる工夫が多くなされているといえます。

大人

 社会に出ると活動範囲が広がり、より多くのものを目にするようになります。それに付随して様々な体験をし、UDにお世話になる機会も増えてきます。
 電車を利用する際、妊婦や大けがをした人が立ったまま揺れる車内にいるのは危険です。そのために、以前まで「シルバーシート」と呼ばれていた高齢者と障がい者を対象とした座席スペースの名前を「優先席」に変更し、妊婦の方や子供を連れた方を含めて座席が必要な人が優先して利用できるようになりました。他にも、車いすの人に利用しやすいように下部に上の商品に対応したボタンを設置した自動販売機も一例として挙げられます。同じく車いすの人が利用しやすいようにした自動販売機でも、高さを低くしたものについては健常者にとってはボタンの位置が低いなどといった使いづらさが伴っているのでUDとは言えません。
 社会の中で大多数を占める大人の層は、多種多様な事情を抱えた人が多いために、多方向から使いやすさを追求したUDが多くみられるのが特徴です。

高齢者

 年を取ると次第に体が自由に動かせなくなったり、体力も少なくなったりと次第に不便になることが多くなります。そのため、体に負担が少なくなるような工夫が社会に多くみられます。
 例として、見たことがある方は少ないかもしれませんが、くねくねした手すりが挙げられます。これは階段の上り下りの際に手すりに体重をかけやすい形状になっています。まっすぐな手すりを使うと、手首の角度が不自然な角度になり、体重をかけづらくなっています。しかし、この手すりを使って階段を下りると、垂直部をつかんで体を引き寄せることで登りやすく、水平部分をつかんで体重を乗せることでおりやすくなる、という仕組みです。
 他にも、次第に視力が弱くなり、耳も遠くなることを考慮して、町中の信号機や踏切などにLEDのサインや音の誘導を付けるなど、様々な方法で情報や危険を伝達しているところもよく見かけます。
 このように、五感すべてが次第に弱まっていく高齢者に対して、UDで物理的支援をするというのが大きな共通した特徴として挙げられます。

 このように、様々な年代に応じてUDが施されており、現在の社会はより公平に、安全に人々が過ごせるような工夫であふれているといえます。ただ、その年代にのみ特化して使いやすいような工夫でなく、特定の人々を中心に考えられたデザインでありつつ、ほかの人たちも簡単に扱えるようにする、ということでUDとなっていきます。

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