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UDの対象
| ~肢体不自由に対するUDを扱ったページです~ |
肢体不自由のUD
肢体不自由とは、手や足などの肢体に障がいがあることを示します。身体障がい者の54%を占めており、上肢機能障がいや下肢機能障がい、運動機能障がいなどに分類することができます。ここでは、手の障がいと足の障がいについて特に取り上げて説明していきます。
手の障がい
多くの文房具やキッチン用具は手の障がいを持つ人のことを考えてはいません。その原因には、障がいの程度や種類が多岐にわたっていてすべてに対応することが難しいことがあると考えられます。障がいにいろいろな個性がありそれを一つのデザインで解決しようとするならば、一つの物にも多様な使い方があるべきです。そうなれば、今までのようなデザインの仕方は通用しません。先入観を排除して全く新しい形でのデザインを考える必要があります。
例えば、UDに配慮したボールペンを作るとします。そこで私たちはボールペンの様々な使い方を想像します。左手での使用、握ることや指を穴に通す、指と指に挟む持ち方などはすぐ思いつきますが、それだけではUDとは言えません。口にくわえることや足で使うことまで考えなければなりません。この道具はこう使うべきという思い込みを一度無くし、開放性の高いデザインを考える必要があります。
足の障がい
足の障がいを持つ理由は人それぞれに様々です。それらは一概にまとめて説明することはできませんが、やはりどのような人でも移動に不便を感じるでしょう。障がいの程度や種類によって義足や車いす、歩行補助杖などをそれぞれ利用することが多いです。しかし、このような補助器具を使用していたとしても、個人差はありますが移動に不便を感じてしまうのです。
移動するときに一番重要になるのは通路の幅、移動できるスペースの大きさになります。多目的トイレなどでは車いすの人でも利用しやすいように、トイレのスペースを大きくとったり手すりを設置したりするなどの工夫をしています。また、ちょっとした障害物や段差も不便だと感じさせてしまうことになり、階段だけでなくスロープを設置するなどの対処が必要です。このような工夫は若い人や健康な人であっても怪我をした時などにも有効であり、すべての人が使いやすいことを目指すUDの一つであると見ることができます。
車いすの人であれば、高いところに手が届きにくいというのも不便のポイントです。例えば、高いところにボタンがある自動販売機が利用しにくいとします。これを解決するために、低い位置にボタンとお金を入れる場所を移動させました。すると、車いすの人はもちろん、小さな子供でも利用することのできる自動販売機になります。より大勢の人に利用してもらうことができ、UDの実現となります。
肢体不自由の人のためのUDはその発生過程ではバリアフリーの様に考案されることが多いですが、その後の利用状況から見るとUDにも配慮していると考えられます。UDであるかどうかはデザイン段階で決まるのではなく、使用した後の使用者の感想でも決まっていくといえます。
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