● Double Dealer "Stress" - Eustress & Distress - ●
>Introduction >Beginner >Advanced >Discussion >Links >Stress Room
Advanced Page Copyright (c) 1998
B-Company

Study_Course_
トレスの重要性
〜体内変化〜
7/16

- Back / Next -


 ストレスは精神的にも身体的にも悪影響を与えるように思いがちですが、 実はストレスは私たちの味方でもあるのです。

ストレス時の体内変化・・・汎適応症候群

 ストレス状態の時、体内ではどのような変化が起こっているのでしょうか?

ストレッサー
感覚器

脳(視床下部→下垂体)→副腎皮質系

自律神経系、内分泌系、免疫系
ストレス反応

 ある程度強い刺激は私たちにとって異質なもの、普段は経験しない特異なものです。
 この様に体が異常を感じた時、つまり私たちが刺激をストレッサーとして受けとった時、恒常機能が乱されます。
 そこで体がストレッサーに対応しようとして視床下部 - 下垂体 - 副腎皮質系を介してホルモンが分泌されます。ホルモンは体内組織の働きに影響を与えます。
 このとき血管系にも作用し、白血球を介して免疫力にも影響を及ぼします。
 また、視床下部から自律神経系にも影響し、体の器官の働きを調節します。
 この体内の変化を学術用語で「ストレス」というのです。

 適応命令が下された時、つまり汎適応症候群が営まれた場合、体には「ストレス反応」という形で影響が現れます。
 これを裏返せば、ストレス反応はいわば脳や体が強い刺激に対してちゃんと対応していることの証といえるのです。身体がストレス反応を呈してストレス状態になることで、ストレッサーに抵抗するのです。
 それはちょうど、わざと熱を出して体の防御機構が働きやすい環境にし、風邪ウィルスと戦うのと似ています。
 ストレス反応はなくてはならない症状なのです。

汎適応症候群の役割

 では、ストレッサーから刺激を受けた時、なぜ体では汎適応症候群という変化が起きるのでしょうか。

 極端に寒くなった時、体温は下がり、体の機能は低下します。そのストレッサーつまり「寒さ」は、脳の中の「視床下部」というところに伝えられます。すると視床下部では体内の変化をもとに戻そうとして、「自律神経系」を介して、または「ホルモン」を使って体内の器官に命令を下します。こうして体内の乱れは抑えられます。
 さらに、寒さに対抗する為に体の調子を最良にしようとします。この時も視床下部から自律神経系やホルモンを通して体に命令が下されます。
 だから震えたり鳥肌がたったりするのです。

 この様に、ストレッサーに出会った時に一番良い状態で迎え入れて「適応」しようとした結果、自律神経系やホルモンを介して調節しようとした体内変化がストレスなのです。そしてそのストレスによって体や精神に現れた変化がストレス反応、ストレスによる適応がうまく行かなかった場合がストレス病というわけです。

ストレスの重要性・ストレス反応の必然性

 ストレスは人にストレス反応を起こさせる為だけに存在するのではなく、むしろ人がストレッサーに適応する為にあるのです。
 私達はストレス反応を通じて、自分の体がストレッサーにさらされていることを知ることが出来るのです。ストレス反応の大きさで、そのストレッサーがどの程度危険かを知ることが出来ます。
 ひどい不安を感じるならばストレッサーが何であるか見つめ直す必要がありますし、ストレス病にまで発展してしまうようならばすぐさま対応をするべきでしょう。

 このように、ストレスは外部からの、多かれ少なかれ、異常な刺激や環境の変化の中でうまく切り抜けていく為の「体内適応反応」なのです。
 そしてストレス反応は、私たちにストレスが生じてしまうような刺激や変化が訪れていることを知らせてくれる「メッセンジャー」なのです。
 もしストレス反応がひどくなれば、私たちはそれを「危険信号」だと認識して適切なストレス対処をしていかなければなりません。
 さもなければストレスはますますひどくなり、症状もどんどん悪化してしまうのです。


- Next -