そのうち夕暮れとなり、カラスが空いっぱいに渦を巻き始める。  東の方から武士の一団がやってきた。ざっと二十人ばかりだ。
「よう、橋の下の宿無しども。」
 武士の一人が呼び掛け、後の一行も立ち止まる。
「お前達に、この瓜をやろう。」
「そりゃ、ありがてゃあ。」
「ほんじゃまあ、こっちへ投げてちょ。」
 みんなが喜び、でっかいマクワ瓜を手にした武士を振り仰ぐ。 どうやらその若い武士が、大将らしい。
「あいにく瓜は一つしかないんだ。だからよ、足で歩かず、ここまで 取りに来た物にやることにしよう。」
「ちぇ、たちの悪い野武士だで。」
「腹ぺこのおら達をからかっちゃいかんで。」
 すると、くだんの猿そっくりの少年が、

 
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「その瓜はおらが貰うでよ。手で渡さず、おらに渡してちょ。」
「そんなこと言わずにおらへ投げてちょ。」