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いま私たちが日常的に使っている「ストレス」という言葉。もともとは、工学、物理 学用語で、物体に力が加わった時に生じる「ひずみ」のことを意味する言葉でした。 たとえば、ボールを指で強く押すとへこみます。このへこみを物理学でストレスといっていたのです。これを医学の領域で最初に用いたのが、カナダのハンス・セリエ博士です。外部から力や刺激が加わり、「ゆがみ」をそのままにしておくと、ストレスによる症状がおきるのです。
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ストレスの原因となるものを、ストレッサーと言い、それによって起こる体や心の反応のことを「ストレス反応」と呼びます。ふだんは、このストレッサーのことを「ストレス」と呼んでいます。 外部からのあらゆる刺激がストレッサーになります。つまり、ストレッサーは、わたしたちの身のまわりのどこにでもあります。そして、何がストレスになるかは人によって違います。また、同じ人でもそのときの体や心の状態によって違います。 【さまざまなストレッサー】
【中高生に多いストレッサーは】
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外部から加わるストレスがその人に耐えられる限度を超えてしまうと、心や体にサインが現れます。心と体は、密接につながりがあるのです。ストレスに対処するためには、そのサインを早めに発見することが大切です。
【身体症状】
【心の症状】
【行動の症状】
ストレス状態が、どの症状となって現れるかは人それぞれですが、心や体、行動に変化が現れた場合は早めに気分転換し、自分をいたわってあげるようにするとよいでしょう。
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ストレスは、心身に悪影響を及ぼすばかりの「悪者」と思っているかもしれませんが、決してそうではありません。 「よいストレス」もあるのです。たとえば、スポーツで試合をするというのは、ある意味でストレスになります。でも、試合という目標があるからこそ、人は真剣に取り組み、もっとうまくなろうと努力したり、考えたりします。それによって、技量も高まり、ステップアップしていくことができるわけです。 反対に「悪いストレス」は、自分の心が苦しくなったり、嫌な気分になったり、やる気をなくしたりするものです。 セリエ博士は、「ストレスは人生のスパイスである」と言っています。人生には、適度なストレスは必要なのです。問題は、悪玉のストレスをためないこと。うまく解消できたら、みんな元気になれるのです。
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ストレスの感じ方は人それぞれなので、ストレスに強い人と弱い人がいます。一般に次のような性格の人は、ストレスに弱いと考えられています。
ストレスに強いのは、マイペース型の人。おおらかで、人目をあまり気にせず、感情をのびのび表現し、気持ちの切り替えも早いといった特性がみられます。 両方にあてはまる!という人もいるかもしれませんね。 「ストレスに強いか弱いかは、生まれつきのもの?」と思う人もいるかもしれないけど、ストレス耐性はうまれつきのものではない。子どものころからでも、大人になってからでも、後天的に厚く、強くしていけるものなのです。そして、十分なストレス耐性を身につけた人が、心身ともに健康な人です。
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自分が、強いストレス状態にあっても、それに気づいていない人が少なくありません。ストレスとうまくつき合うためには、まず自分のストレス状態に気づくことです。
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