正史と演義について
実はみなさんが読んでいる三國志には、
正史と演義の2通りがあるのです。
貴方が読んでいたのはどちらですか?
正史とは?
中国には昔から史官と呼ばれる、その国の歴史を書く部署が置かれており、
彼らは、事実をありのまま書くことを命ぜられていた。
中国最初の正史は、司馬遷の「史記」であり、紀伝体で書かれている。
「本記」・「世家」・「列伝」・「書」・「表」の五つから成り立ち、全部で百三十巻ある。
「本記」は、王朝の皇帝のこと。
「世家」は、帝王をめぐる諸侯について。
「列伝」は、豪族や庶民のこと。
「書」は、制度について。
「表」は、年表。
というように書かれている。
正史と呼ばれているものは、全てこの紀伝体で書かれている。
正史三國志は、魏書(三十巻) 蜀書(一五巻) 呉書(二十巻)から成っています。
魏を王朝としてみると、蜀と呉が魏と同じような立場で書かれている。
この三國志の作者、陳寿(ちんじゅ)は晋の時代の官吏で、蜀出身者だった。
魏書には、曹操、曹丕などを"武帝紀""文帝紀"などとして書き、本紀とし、
蜀書・呉書には、"先主伝"・"呉主伝"と呼んで劉備、孫権を「列伝」とした。
彼が書き上げた三國志には、書も表もなかったが、南朝の宗の文帝の秘書、
裴松之(はいしょうし)が注を付け、今の正史三國志はできあがった。
演義とは?
三國志演義は、庶民が楽しめるような小説。
主人公が、魏の曹操ではなく、蜀の劉備なのである。
そのため、劉備の敵となる者は、ほとんど悪役として描かれている。
そもそも演義は、歴史的事実を周りに広げていくという意味。
そのため、魏・蜀・呉を見た時、一番三國志として歴史的な物語になっていた、
蜀を主人公にすることによって小説的にも楽しめたという。
この物語の史実は七割、脚色は三割といわれている。
この二つの違いについては、 ”正史と演義の比較”を御覧あれ。