
旧姓 鳳(ホウ)まろ。境市生まれまろ。与謝野鉄幹の妻で新詩社で雑誌「明星」で活躍する一方、婦人問題に関する評論「源氏物語」の現代語訳をし、双子を含む十一人の子を育てたまろ。代表作 「みだれ髪」「佐保姫」「春泥集」「新訳源氏物語」「みだれ髪」を発表し、浪漫的でだいたんな作品は、人々を驚かせ、また、浪漫的な趣きを語る「明星調」は当時の青年層から熱狂的に支持されたまろ。與謝野寛(与謝野鉄幹)との結婚後は、「小扇」「舞姫」「夢之華」などの歌集をあいついで出版して有名になったまろ。
| その子二十(ハタチ)櫛に流るる黒髪のおごりの春の美くしきかな 清水(キヨミズ)へ祇園をよぎる花月夜こよひ逢ふ人みな美くしき 経(キヨウ)は苦(ニガ)し春のゆふべを奥の院の二十五菩薩歌受けたまへ 汀(ミギワ)来る牛かひ男歌あれな秋の湖(ミズウミ)あまりさびしき やは肌のあつき血潮に触れも見でさびしからずや道を説く君 |
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明治四十年代から大正期にかけての歌集・詩歌集に、「常夏」「佐保姫」「春泥集」「青海波」(せいがいほ)「夏より秋へ」「朱葉集」「火の鳥」「太陽と薔薇」などがあるまろ。昭和に入ってからも作歌活動は続き、「心の遠景」「白桜集」(遺稿)などの歌集が出版されている。また、日露戦争の時に「君死にたまうことなかれ」をはじめとする詩や小説、童話だけでなく、源氏物語などの古典研究、婦人問題に関する評論活動、文化学院をよりどころとした女子教育など、多方面にわたって活躍したまろ。 右が「みだれ髪」の表紙だまろ。ハートに矢が刺さって血がしたたり、それが文字を作ってとてもきれいだまろ。 |
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