いじめの定義 ページの先頭へ |
いじめと、「プロレスごっこ」や悪口などは、ある意味では非常に近いのです。はたから見ると、どう見てもいじめなのに、自分ではいじめだと思っていない場合や、やっているほうは手加減をして遊んでいるのに、やられるほうは深刻に考え、それをいじめだと思うなどの場合があります。
しかし、最終的に言えるのが、「被害者がいじめだと思えばいじめ」です。やられているほうがいやだといってやまなければいじめなのです。例え嫌だと言えなくても、心の中で傷ついているかもしれません。人のことを思いやる気持ちの欠如がいじめを生みます。
いじめの鍵 ページの先頭へ |
いじめの鍵は「正当化」です。例えば、ターゲットがいわゆる「いやなやつ」だとします。すると、誰かが「あいつむかつく、無視しようぜ」となったときに、無視する人の心の中で正当化されてしまう事があります。
例えば、いわゆるボス、ガキ大将、リーダー格の人が「これからあいつはシカト」と言ったとします。その人に逆らうと他の人にも嫌われるとか、彼も悪いからなどと考えて、自分の行為を正当化してしまう事があります。
もしも、A君へのいじめがやんで、B君へのいじめが始まったとします。A君が誘われれば、もちろん、「こんな気持ちを味合わせたくない」という気持ちがあるのですが、時には「自分もB君に、いじめられた」とか「B君にも同じ気持ちを」などと正当化してしまう事もあります。そのときに、普通の人を巻き込んだいじめが発生すると言えます。このように、普通の人がいじめに加わるには、正当化の過程があるのです。
無関係 ページの先頭へ |
いじめられる状況があったとして、それをただ傍観しているその傍観者はいじめっ子です。つまり、いじめを防ぐには、早期発見が必要です。それを「自分には関係の無い」と思う、それ自体がいじめなのです。このようないわゆる「偽善者」達がクラスに多いことがいじめのやまない大きな理由です。
被害者 ページの先頭へ |
被害者のうけた被害と、自分の行ったことを天秤にかければ、当然、いじめっ子が悪いのです。しかし、いじめられやすい人と嫌われる人というのは、ある程度、共通点があります。もちろん、外国人などの単なる差別の要素も存在します。しかし、「自己中心的」「わがまま」「ぶりっこ」などへの反感がある日、無視やいじめに発展することもありえます。
自殺 ページの先頭へ |
中学、高校生の時代に、いじめによって尊い命を失う人が多数います。なぜ、いじめで死ぬのかというと、やはり、人とのつながりでしょう。人は、関係の中で生きるのです。いじめの場合、1対多数で行われています。その際に、相談できる人がいれば、心強さが増し、いじめは解決する場合がほとんどです。自殺までいくのは、相談できる人がいない場合です。学校では、いじめられ、先生にも、親友にも相談できず、家では親にも相談できない。この関係の欠如により、自殺をするのだと考えられます。
いじめの時期 ページの先頭へ |
いじめの開始時期に多いのが、5、6月、つまり、ある程度人間関係ができて、この人とこの人は○○さんのグループで、などと親しい友達が大体決まる時期です。その時期に、グループ同士で対立をしたり、グループ内で対立をしたりすることがあります。それに、人間関係の欠如が加わるといじめが発生する可能性が非常に高くなるのです。例えば、親友がいない場合などです。
いじめをなくすには ページの先頭へ |
いじめを受けないには、まず、親友を作ることです。次に、他人のいやがることはしないことです。そして、極端に個性的な人は、附属や、私立に行くことです。しかし、それよりも重要なことが、いじめている本人の問題です。いじめている本人は「痛みが分からない」のです。そこで、小学生の頃から道徳で、人の痛みを分かるように教育をすることが重要なのです。
いじめ後の紛争処理機関 ページの先頭へ |
北大の中川明教授は、
「保護者の知る権利が、学校の個人情報非公開によって侵害され、結局訴訟をしてもお金しか取れない。そこで、いじめ調査・紛争処理委員会を各市町村に第三者機関として設置し、6〜8人の弁護士・識者らからなる住民の推薦によって選ばれた教育委員会とは独立した委員会が紛争を処理する。その委員会は、学校に資料を提出させる権利を持ち、紛争の早期解決や、あっせん、調停などの役割をになう。」
という提言を行いました。これには、大賛成です。それは、今までは、いじめた側のプライバシーといじめられた側の知る権利で、プライバシーのほうが優先されてきたのですが、確かにプライバシーは大切だといっても、被害者の知る権利が全く守られないのでは、片手落ちだと思うからです。
提案 ページの先頭へ |
いじめをなくすには、実際にいじめがどのようなものかを知る必要があります。しかしいじめを経験した人とない人では、温度差が激しいのです。そこで、生徒のロールプレイによるいじめ認識の機会を提唱するします。
例えば、生徒の前で、数人ずつのグループが、「パシリ」「陰口」「悪口」「いやみ」「プロレスごっこ」「暴力」「シカト」「万引きをさせる」「葬式ごっこ」などの実演をして、それぞれについていじめかいじめではないかに分かれて議論をするものです。もしも意見が割れない場合は、教員が反対論に立ちます。
そして、いじめを防止するには、相手を思いやる気持ちが必要で、起こってしまったら早期発見、早期相談、加害者被害者それぞれのカウンセリング、お互いの言い分を聞く、そして、関係改善をはかるという風にすると教えるのです。これで、いじめのない学校でも、いじめへの認識が深められ、中学校や高校でいじめが起こりかけても対処ができるでしょう。
参考ホームページ、その他 |
こねっとプラン様
「いじめ白書」
<http://www.wnn.or.jp/wnn-s/ijime/>
2001 (2001年3月)
中川明教授