視覚障害者

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このページの目次
視覚障害者とは
視覚障害者ここが不便
視覚障害者を助ける道具アラカルト(パソコン関連を除く)
晴眼者のできること
点字
コンピュータが変える視覚障害者の暮らし
目で見るブラウザ体験記
提案
参考ホームページその他
英語版へ
子供用へ
■視覚障害者の室崎さんへのインタビュ−
おしゃべりしましょう

 視覚障害者とは ページの先頭へ

 目の見える人が日常生活で得る情報の九割以上が目からの情報だといわれています。その目の見えない人のことを「視覚障害者」、あまり一般的ではないが目の見える人のことを「晴眼者」といいます。ちなみに聴覚障害者の対義語は「健聴者」、一般的な障害者の対義語は「健常者」です。
 視力が片目0.6以下&0.02以下であれば、6級、1級は両目が0.01以下の視覚障害者として、政府から障害者手帳が渡されます。その定義に沿えば約35万人いるそうです。しかし、例えば極端な話では両目0.03の人は、障害者手帳をもらえませんが、一般に言われる視覚障害者です。このページでは、情報を目よりも手や耳などの他の器官からの方から多く手に入れている人を指すことにします。視覚障害者の中には、先天性の人だけではなく、幼児期などの後天性の人がいます。大人になってからも、糖尿病の合併症や交通事故などで視力を失ったり、徐々に視力が低下する人もいます。

 視覚障害者ここが不便 ページの先頭へ

 視覚障害者は、点字、白杖、矯正眼鏡、盲導犬などによって、ある程度自立することができます。例えば、中学の教師をしている方もいます。スポーツだってできます。しかし、視覚障害者も不便なことがたくさんあります。
 まず、電車などで椅子に座りたいけど空いてるのかどうかが分からなかったり、テープやフロッピーを探す際は、まさに「手探り」のため、探すのに時間がかかったり、缶詰や、シャンプー、リンス、手紙などの色やラベルで判断するものの区別が難しかったりします。印刷物は、スキャナーで取りこんで、読み上げソフトで読みますが、似ている文字を間違うなど、まだまだ不便です。そのために、新聞や雑誌、レシート、親展の手紙、マニュアルなどの情報が手に入りづらいです。聞くところによると、新聞はインターネットができるまでは読めなかったそうです。誘導石も、自転車が置いてあって途切れたり、どこへ誘導してくれるのか分からなかったりします。点訳の本は、冊数が少ないのに、かさばるため、場所が取れません。ATMなどのタッチパネルは全く分かりません。メニューなど、外の印刷物は読んでもらうしかありません。服の色柄は、自分では見られないにしても、晴眼者に見られる事を考えると、知りたいけれども、教えてもらわないと分かりません。
 そして、一番は、以下の資格全てが「視覚障害者」というだけの理由で取得できないという事です。医師、歯科医師、助産婦、看護婦、歯科衛生士、特定毒物研究者、毒物劇物取扱責任者、診療放射線技師、歯科技工士、臨床検査技師、衛生検査技師、免許、薬剤師、視能訓練士、臨床工学技師、義肢装具士、救急救命士などです。大きくなったらお医者さんになりたいという視覚障害者の子供の夢はかなえられないのです。

 視覚障害者を助ける道具アラカルト(パソコン関連を除く)  ページの先頭へ

 (1)点字タイプライター
 点字が打てるタイプライター。視聴覚障害者自身が打ったり、視聴覚障害者の為に打つことができます。パソコンが出る前は必須。 
 (2)盲導犬
 非常に有名な犬です。視覚障害者を安全にすばやく目的地まで誘導してくれます。ただし、犬は初めて行く場所は、わからないので、障害者自身が指示しなければなりません。ハーネスといわれる輪を胴に巻きます。盲導犬はほえたり、他の犬に興味を持たないように躾られています。盲導犬はペットではないので、今はほとんどの場所に出入りすることができるようになったのですが、ペットアレルギーの人にはペットではなくてもだめなようです。 
 (3)盲人用テープレコーダー
 音声は、人に読んでもらうだけでは消えてしまいますし、一度読んだだけで分からなかったりします。それに、朗読カセットが借りられたり、売っています。そのために、テープレコーダーは非常に便利な道具です。 CDやDAISYなど、他の道具にとって変わられつつあるのも事実です。
 (4)盲人用時計
 針がむきだしになっていて、触って時間を知ります。音声で知らせてくれるタイプもあります。
 (5)視覚障害者用拡大レンズ
 弱視であっても、大きく拡大すれば読める程度の視力がある人向けです。大きすぎると視野が狭い人には首を振る苦痛があるので、ある程度の大きさになります。ちなみにコピーをするときは、150%未満の拡大倍率にしましょう。それ以上の場合、空白もコピーされるので見ずらくなります。
 (6)点字図書
 点字がポツポツと浮き上がっていて、それを触って本を読みます。なかなか大きいのでスペースが取れないのが難点。
 (7)白杖
 はくじょうと呼びます。杖を振りながら歩くことで、前の危険物を避けたり、晴眼者へ「私は目が見えませんので、注意してください」というメッセージを発します。道路交通法で、白杖もしくは盲導犬なしには聴覚障害者は公道を歩くことを禁止されています。杖の長さは身長から42〜45cmを引いた長さで、立てるとわきの下に入ります。一本の棒のものと折畳式のものがあります。グラスファイバー、アルミ合金、カーボングラファイトなどの丈夫な素材でできています。
 (8)誘導石
 歩道に埋められている黄色いブロックです。2種類あって、直線が引かれている誘導ブロックとぽちぽちがついている危険をしらせるブロックです。石畳などとの区別が難しかったり、そこに自転車などがあると、途切れて、分からなくなります。

 晴眼者のできること ページの先頭へ

 視覚障害者は、晴眼者の助けが必要なときがあります。例えば、駅で、料金が知りたいとき、レストランで、メニューが知りたいときなどです。しかし、その助け方にもマナーがあって、例えば、誘導するにしても、速すぎても遅すぎてもどちらでも晴眼者・視覚障害者の両者が危険になります。まず、手伝う前に、必ず本人に必要かどうかを聞くことが大切です。介護者は通訳ではないですし、盲聾者は別としても、9割以上は耳が聞こえますので、本人に聞きましょう。基本的には友達に接する態度で接しましょう。
 まず、誘導をするときは、晴眼者は視覚障害者の半歩先を歩きます。視覚障害者は誘導者のひじの辺りを軽く触れ、半歩後ろを歩きます。 速さは、視覚障害者に合わせましょう。
 次に、説明する場合は、単純、かつ明確に説明しましょう。例えば、ファーストフード店では読み上げるときに例えばただ「フィレオフィッシュバーガー」というのではなく、その後にでも「魚のフライを挟んだハンバーガー」など、現物を見られないことを考慮して説明してあげましょう。ただ、無理に簡潔に言わなくてもかまいません。
 ちょっとの心配りで、あなたの気遣いが本当に視覚障害者のためになります。その他にも、ボランティアで点訳、朗読、録音などをするグループもあります。  

 点字 ページの先頭へ

テンジトハ、コノヨウナモノデス 点字は、視覚障害者の大きな武器です。 右の図のように、6マスあるうちの、どのマスを膨らませるかで、2の6乗通りの表し方ができます。右の図の大きめの■が、突起になっています。もちろん、右の図を印刷しても視覚障害者の方は分かりません、あしからず。
 さて、視覚障害者は、全て点字がわかると思ってはいませんか?実は、点字を完全に読み書きできる視覚障害者は約4万人、つまり、全視覚障害者の10%強なのです。それは、点字というのがとっつきやすいもののなかなか複雑であって、どこにスペースをいれるかなどが至難の技であったり、途中から失明した人は、点字を覚えるモチベーションが低かったりします。それに、軽度の人にとっては、拡大鏡で何とかなる部分もあります。つまり、残りの90%ほどの人は、点字では完全には伝えることができないのです。  

 コンピュータが変える視覚障害者の暮らし ページの先頭へ

 視覚障害者の自立に大きな一石を投じようとしているのがパソコンです。例えば、スキャナで読みこみ、ソフトを使えば特に定型文はかなりの正確性で読めるようになりました。遠くの人とコミュニケーションをしたくても、電話では、家にいないかもしれませんし、携帯電話も電源を切っているかもしれません。それも、eメールで簡単につながるようになりました。DAISYというCDにインデックスがついたようなものは、テープとは違って、例えば第3章から聞きたいなどという人に便利です。インターネットにアクセスすれば、新聞も読めます。
 このすばらしいパソコンを支えているのが読み上げソフトです。しかし、今、その読み上げソフトが大きな壁にぶつかってしまいました。それは、今までのMS-DOSとは異なり、WindowsはGUIを採用したからです。つまり、今までのMS-DOSであれば、情報のほとんどは文字情報でした。文章を編集してパソコン通信でメールをする分には、画面に表示された文字を読み上げればよかったので、高性能なソフトが作られました。ところが、新しいWindows95、98は、GUI、つまり、視覚的にパソコンが使えるようにしたのです。これによって、晴眼者が非常に取りつきやすくなりました。何しろ、アイコンをクリックするだけでプログラムを起動できるのですから、いちいち打ちこむ必要があるDOS時代よりずっと進歩したはずです。
 しかし、視覚的にパソコンが使えるようになったということは、視覚が失われている視覚障害者には非常に使いにくくなったということです。それを、技術がカバーしました。今では、なんとか使えるレベルまで上がってきています。

 コンピュータが変える視覚障害者の暮らし ページの先頭へ

 フリーの読み上げブラウザをダウンロードしてみました。今回使用したのは、ボイスエクスプローラー98です。アイコンをクリックすると、「ボイスエクスプローラー起動」という言葉が聞こえてきました。 tabキーで、操作ウィンドウ、表示ウィンドウ、アドレスバーの3つのウィンドウを切り替えます。普通の文章は男声、リンクは女声と、なかなか使いやすいものです。
 使い方が分かった所で、モニタの電源を切ってみました。声を頼りに、リンクをたどると、なかなか快適に使えます。しかし、注意しなければいけない点を見つけました。
 (1)「画像」というメッセージは、聞いているだけでは何もわからないので、 altをつけたり、不要な画像は削除したほうがよい。特にクリッカブルマップはaltなしには何もできない
 (2)フレームは、対応しているものの、タイトルが同じだったりすると、意味がわからなくなる
 (3)ルビは、ふると2回読むので混乱する
 (4)metaでリフレッシュをするのは、やめたほうがよい
 (5)Java Scriptやflashで重要なことを伝えない。重要なことであれば、テキストで伝える。
 (6)表現のためのタグは、論理タグで。
 (7)ページ作成ソフトは意外と対応していない。
 (8)表の構成が複雑になると読み上げても分からなくなる。
 (9)\$などのマークが記号として扱われたり、○が読まれなかったりなど、ブラウザによっても異なるものの、記号は注意が必要。1/1は、日付の表示ではなく「いちぶんのいち」となるブラウザもある。
 (10)英語は、かなり訛って発音されるため、ローマ字読みになると思われる。
 などです。結局、視覚障害者をユーザーとして考えるかどうかという意識の問題です。

 提案 ページの先頭へ

 視覚障害者は一億3千万分の40万、つまり、0.3%しかいないわけです。だからといって、その人達をユーザーとして考えないわけにはいきません。しかし、マニュアルなどは、画像も多く、読み上げただけでは分かりません。そこで、1万個以上売る製品は、全て点訳のマニュアルをつけることを義務化します。計算ではその30個以上は視覚障害者が買うことになるわけです。もう一つは、残高照会など、プライバシーに関するものは、願えば、点字で送る事も義務化します。視覚障害者にもプライバシーがあります。
 そして、やはり視覚障害者も、晴眼者と同じ学校に行くようにしましょう。これで、目が見えなくても、視覚障害者とコミュニケーションが取れるんだ、心で分かるようになります。


参考ホームページ、その他

Network Accessibility Project様 「Network Accessibility Project」
<http://www.accessibility.org/>

2000 (2000年12月)

Challenged Working Forum様 「視覚障害者とは?」
Challenged Working Forum
<http://cwf.vcom.or.jp/cwf-info/knowhow/tshikaku.htm>

2001 (2001年3月)

リンク集に登録済Hiro様 「バリアフリーWebデザインガイド」
<http://www.din.or.jp/~hiro-/barrierfree/index.html>

1999 (2000年3月)

リンク集に登録済日本障害者リハビリテーション協会様 「障害者福祉研究情報システム」
<http://www.dinf.ne.jp/>

2001 (2001年3月)

財団法人共用品推進機構様 「財団法人共用品推進機構」
<http://kyoyohin.org/>

2001 (2001年3月)

Webアクセスを考える会様 「TWAJ」
<http://thinkman.cup.com/index.html>

2001 (2001年3月)

リンク集に登録済横田陽様 「VIPS」
<http://www.osakapref-sb.ed.jp/vips/>

及びフリーソフトVE98
2001 (2001年3月) 


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