コンピュータアニメーション
表示物体と視点


・表示物体と視点

 CGにおいて通常使用されるカメラモデルは、ピンホールカメラ(針穴写真機)の原理に基づくものです。このモデルにおいては、ピンホールを視点に、実際のフィルム面とピンホールに対して点対称の位置を投影面(スクリーン)とし、そのスクリーンの法線方向を視線ベクトル、スクリーンの上向き方向をアップベクトル、そして視点を頂点としスクリーンを底面とする四角錐をビューボリュームとよびます。


 コンピュータの中でのカメラの操作とは、ビューボリュームの位置と方向、スクリーンの大きさに対して数学的な操作を行うことです。

 ○カメラをパンする(左右にまわす)
  視線ベクトルに対して垂直軸回りの回転の計算を行うことです。

 ○ズームイン
  スクリーンの大きさを縮小すること、つまり画角を小さくしてゆくことと同じです。
画角&距離1
画角&距離2

 視線ベクトルを直接操作して視線の方向を決定することは、表示対象をスクリーンの任意の場所に表示しようとする場合に困難なことが多いため、建築分野でよく使用されるウォークスルーとよばれるCGアニメーションなどでは、参照点とよぶ視線ベクトルの延長線上の点をまず決定し、そこから視線ベクトルを求める方式がとられています。

 こうして決定された種々の変数によって行列が計算され、物体データはワールド座標系から視点座標系へ変換されます。次に透視投影の処理によって物体データはカメラのビューボリューム空間へと変換されるが、このときクリッピング処理を行うことが重要です。とくに視点が移動するアニメーションにおいてこの処理がうまく行われないと、作成された画像が意図したとおりにならない。
 また、写実的な映像を得るためにCGではいろいろな照明モデルが利用されます。光の色、明るさ、スポットライトの場合はその方向と集束度などに対して、カメラの場合と同様に、時間を変数とする関数を用いたさまざまな計算処理が行われます。

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