酸性雨って何?
酸性雨の実験 ←ぜひご覧になって下さい!!
原因は?
どうしたらいいの?
私でも出来る事は?
酸性雨って何?
簡潔に言えば、化石燃料を燃やして出来た煙の中の窒素酸化物や硫黄酸化物が溶け込んで降る酸性の雨です。
あまり日本では問題になっていないけれど、ヨーロッパや北アメリカでは深刻な問題となっている”酸性雨”。酸性雨は、森林や湖の深刻な環境破壊の原因として有名です。
海や湖から蒸発した水蒸気は中性で、アルカリ性でも酸性性でもありません。どころが、その水蒸気が大気中の二酸化炭素(炭酸ガス)を溶かし込んで、弱酸性になります。
そのため、自然の雨は、の酸性です。でも、弱酸性の雨は、長い時間かけて酸性のpH5から6(中性はpH7)位力でこい酸性の雨になります。この酸性雨の酸の力によって岩を溶かします。鍾乳洞(しょうにゅうどう)や鍾乳石(しょうにゅうせき)は、雨水が石灰岩を溶かして出来たものです。
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酸性雨による影響は、今日、ヨーロッパを始め北米、中国、東南アジアなど、先進工業国を中心に世界的な規模で発生していて、世界的問題となっています。
酸性雨は、湖底ら有毒な金属をわきださせ、魚が生きる事のできない湖、”死の湖”を作り出します。また、森林に降った酸性雨は、葉の代謝(古いものと新しいものとが入れかわること)をさまたげたり、土壌を酸性化させたりします。
その他にも、遺跡や建物、石像を溶かしてしまったり、地下水を酸性化させたり、赤潮の関与したりと、よくないことだらけです。
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酸性雨の原因
工場からの煙や自動車から排出される排気ガス中の窒素酸化物や硫黄酸化物が大気中で太陽の光により光化学反応を起こし、硫酸や硝酸といった強い酸に変化した雨の事です。
化学燃料を燃やすと、エネルギーとともに、燃料に含まれていた硫黄や窒素などの化学物質が放出されます。硫黄と窒素は、酸性雨に含まれる代表的な元素です。この二つは、かつては空気中に広がって無害になると考えられていました。でも、1967年スウェーデンの科学者オーデンは、これらの元素が、硫黄酸化物や、窒素酸化物となり、雨に溶けこんで酸性雨の原因になると考えられました。
大気中に放出されている硫黄酸化物は驚くほど沢山の量です。この大半が、工場や火力発電所からはき出されたものです。
窒素酸化物の量は、硫黄酸化物に比べると少ないけれど、かなりの量です。窒素酸化物は主に自動車エンジンから排出されます。ヨーロッパの交通量は年間20%の割合で増えているので、このままいくと窒素酸化物が原因となる大気汚染や酸性雨が、深刻な問題となります。
大気を汚染する酸性物質の一部は、水蒸気に溶けずに地面に落ちます。そして、樹木や建物などの上に積もります。これらは、”乾性降下物”とよばれ、やがて雨水に混ざって酸化します。それ以外の酸性物質は、長ければ一週間ほど大気に留まり、風に乗り、遠くまで運ばれます。この間に、空気中の水蒸気と反応し、硫黄酸化物は硫酸子となります(その他に、亜硫酸や亜硝酸などができますが、いずれもの粒子となり、窒素酸化物は、硝酸の粒硫酸と硝酸と似た物です)。あとはもう酸性雨となり降るだけです。酸性物質の空気中での複雑な化学反応は、農作物に有害な事もあります。
オゾンを発生させる酸性降下物が雪の形で降った場合、その影響が遅れて現れます。冬の間は、雪が酸性物質を取り込んだまま積もります。やがて春になり雪が解けると、酸性の雪解け水が野山を流れ、川や湖に流れて行きます。時には、半年もかけて降り積もった酸性物質が、わずか数週間で解けるため、川や湖の酸性度が急に高まり、水の中に育つ動植物に大きな影響があるのです。
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自然環境の酸性化の原因は、大気汚染だけではありません。植物は育つ時、土の中の養分を吸収して使います。このことが、土壌の酸性度を高めます。でも、植物が枯れて土に戻る時に、その養分を土に戻し、土の酸性度を下げます。
自然はこのように、安定したpHレベルを保つ様に出来てます。ところが、農業や林業は、収穫した作物や伐採した木を土に戻す事はありません。そのために、養分が土に戻らず、土の酸性度が高まるばかりです。また、肥料として使われる硝酸カリウム系の合成肥料が、土の酸性度をさらに高めます。
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工場の廃棄ガスを減らしたり、車の廃棄ガスを減らすなど、窒素酸化物や硫黄酸化物の放出量を減らす事です。
しかし、現代は産業の発展化のため、便利な物が欠かせない時代などから、工場の廃棄ガスを止めたり、車に乗る事を止めたりする事が出来ません。けれども、窒素酸化物や硫黄酸化物の発生を防ぐ事は出来ます。CMなどでも見られる、省エネルギーの車で考えましょう。同じガソリンの量で沢山走ることができるのですから、二酸化炭素、窒素酸化物などの排出量を減らすことが出来るのです。ソーラーカーはどうでしょう。太陽のエネルギーだけで走る事ができるのですから、窒素酸化物などは排出されない、環境にとてもいい車です。けれども、ソーラーカーは、あまり普及されて入ないのが残念です。
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一番簡単な事は、近くに出かける時に、歩き、または自転車を使って行く事です。歩いたり、自転車で行けば、体を動かす事ができて、環境にもいい、まさに一石二鳥というわけです。いつもは気づかずに通りすぎてた自然とめぐり合うことが出来るかもしれません。
是非試して見てください。
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工場からの煙や自動車から排出される排気ガス中にふくまれている、有害物質。
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pHは液体の酸性やアルカリ性の濃度を示す単位です。pH0に近い強い酸性からpH14までの段階があります。中性はpH7の値です。だから、自然の雨のpH5から6は、中性のpH7より酸性度が高い事になります。
pH値は、対数尺度になっています。つまり、pHが1違うと、10倍違う事になります。だから、自然の雨をpH6とすると、中性pH7の10倍、pH5とすると中性の100倍も酸性度が高い事になります。(この計算でいくと、pH3.2のレモンジュースなみの酸性雨は、pH6の普通の雨の1000倍も酸の濃度が高いのです。)
酸性度を測定する方法は色々あり、一番簡単な方法は、リトマス試験紙を使う事です。リトマス試験紙は、水溶液につけると、酸性なら赤に、アルカリ性なら青に変わります。
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化学燃料は、大昔の植物や動物の死骸が地下に埋もれて出来たものです。例えば、石炭や石油です。これを人類が、本格的に利用する様になったのは18世紀のことです。それ以来、その使用量は、暖房、製鉄、機械の動力源などとしてどんどん増えてきました。
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雨水または地下水の溶解浸食を受けて石灰岩地に生じた空洞。天井には鍾乳石がたれさがり、、床下に石筍(石灰洞の床上に水が滴下〈しずくとなってしたたり落ちること〉し、含まれている炭酸カルシウムが沈殿〈液体中にある小さな粒が下の方に沈んでたまること〉・堆積〈積み重なる事〉して生じた筍(タケノコ)状の突起物)が林立するのが鍾乳洞、鍾乳洞の天井から雨水が落ちる時、中に溶けていた石灰が、再び析出〈溶液から結晶が分離してでてくること〉して、天井からたれさがるものが鍾乳石。
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作物を育てる土地、土の事。
物質を構成する微細な粒の事。
木などを切り取る事。