| 一寸法師って何? |
一寸法師って知っていますか?
たぶん日本中の誰もが知っている、有名なむかし話です。
ここでは、一寸法師について少し勉強してみましょう。
| ◎一寸法師とは |
一寸法師とは、日本人ならきっと誰もが一度は読んだことのある、有名な昔話です。
しかし、この昔話一寸法師の大元となる、古文の時代に書かれた古文版の一寸法師が存在するのです。
古文でかかれているという点から、内容に至るまで、この古文版一寸法師は、現代版の一寸法師とは少し異なる部分を持っています。私たちは、この一寸法師について研究してみました。
私たちがここで扱う一寸法師とは、室町時代に作られた物語草紙(貴婦女を対象とした物語)、御伽草紙の中に入っている一作品です。
つまり、室町時代ごろに作られた、今の『一寸法師』の元といえる、古文版の一寸法師なのです。
| ◎御伽草紙とは |
御伽草紙は、室町時代から江戸時代にかけて成立した、短編の物語がたくさん収められている物語群です。この中には、一寸法師のほか、ものぐさ太郎、浦島太郎などの有名な昔話も含まれていて、その物語の数は、300〜500篇にもなり、身分の低い大衆の間で親しまれた、大衆小説でした。
初めて御伽草紙と呼ばれる読み物が成立したのは、日本が、室町時代から江戸時代初期の時代であった時ののことです。広い階層に受け入れられた短編の物語郡を総称してこう呼び、その物語の多くは作者不明となっています。
| ◎古文版一寸法師の内容は? |
ご存知の方は多いと思いますが、一寸法師の大まかなあらすじは以下のようになっています。
今、『昔話』として親しまれている内容とは少し異なるところがあります。探してみましょう。これよりも詳しく、『あらすじ』としてまとめたものがあるのでそちらも参照して下さい。
| 子供のない年老いた夫婦が、子供を恵んでくださるよう神様に祈ると、しばらく経って老婆に赤ん坊が出来た。しかしその赤ん坊の背丈はなんと一寸(親指の長さ、つまり3cmくらい)しかなく、何年経ってもそのままで大きくなることはなかった。 気味悪がった老夫婦は一寸法師を旅に出した。一寸法師は旅の途中、大金持ちの宰相殿という人物に気に入られ、従うことに。そうして16歳になった一寸法師は、その宰相殿の娘である姫君を見初め、女房にしようと計画し、成功。一寸法師は姫君と旅に出ることにした。 途中立ち寄った島で出会った鬼に、一寸法師は飲まれてしまうが、その小ささですぐに鬼の腹の外へ出て見せると、鬼は一寸法師をおそれ、持っていた打出の小槌を置いて去ってしまう。 一寸法師はその打出の小槌を使って自分を大きくし、金銀財宝を打ち出して、その後大いに栄えたという・・・。 |
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| ◎今『昔話』として読まれている一寸法師と、具体的に違うのは? |
原文、日本語訳と読み進んでいく上で気づいていもらいたいので、少しだけお話したいと思います。
次のような点が違います。ちょっと心に留めておきましょう。
+一寸法師誕生後の、老夫婦の態度、行動
+一寸法師はどんな人?
+鬼は、一寸法師と会って、何をして、何をされた?
等です。
一寸法師について、どんなものであったのか、分かりましたか?
では、これから古文版一寸法師の読解にとりかかっていきましょう。まずは現代版のあらすじと、古文版のあらすじを見てみましょう。
古文版一寸法師の原文読解にかけては、現代語訳を先に読んでを頭に入れてからでも全然OKなので、古文なんて知らないし絶対読めないに決まっている・・・なんてお思いの方は現代語訳から目を通していっても大丈夫です。
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