おおくまざ[大熊座] 【銀河】【他の物語】 天気輪の柱
北の空に輝く星座。北斗七星を含む。黒い丘でジョバンニが目にする。
神話での大熊は、大神ユーピテルの子を身ごもったことで化身させられたニンフ(女精)のカリスト。ユピテルの妃ユノの嫉妬のために一年中夜空を回らねばならなくなったという。
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ことのほし[琴の星]
【銀河】【他の物語】 天気輪の柱
琴座。天の川の西岸にあり、天頂付近を通る。琴座のベガはわし座のアルタイル、白鳥座のデネブと共に夏の第三角を構成する。この琴はギリシャ神話にある、冥界にいる妻を連れ戻そうとして失敗した楽人オルフェウスの嘆きの琴に由来する。オルフェウスは「後ろをふりかえってはいけない」という約束を守れなかったため、妻と地上に戻ることができなかった。ジョバンニがふりかえって見るとカムパネルラの姿が見えなくなっていたという部分はオルフェウスの話と似ている。
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さそりのひ[蝎の火]
【銀河】【賢治の思い出】【他の物語】 ジョバンニの切符
自分の体をみんなの幸せのために使って欲しいと願い、焼け死んだ蝎の火。その火は、ルビーよりも赤くすきとおりリチウムよりもうつくしく燃えている。
南天の空に赤く輝く星。アンタレス。アンタレスが赤いのは表面温度が太陽の半分の3000度ほどしかないためである。表面温度が高いほど星は青白く光る。S字型のさそり座の中央、心臓のところに位置する。
蝎:尾にかぎがある。その針に刺されると致命傷を負う可能性がある。
賢治が最も好んだ星座。賢治がこの星座を好んだのにはひとつにはアンタレスの赤さ、もうひとつは蝎の毒虫としての生き方にみせられたからであろう。ギリシア神話では狩人オリオンの高慢におこった女神ヘラにつかわされて、オリオンを毒殺したという。童話[銀河鉄道の夜]ではこれをふまえつつ、「わたしはいままでいくつのものの命をとったかわからない、そしてその私がこんどいたちにとられようとしたときはあんなに一生けん命にげた(中略)神さま。私の心をごらん下さい。こんなにむなしく命をすてずどうかこの次にはまことのみんなの幸のために私のからだをおつかい下さい。」と、弱肉強食の世界からの救済を説くためのたとえ話として少女に語らせている。さそり座が銀河の中心の方向に近く、多くの暗黒星雲(→石炭袋)が存在することと結び付けたと考えられるほかの作品もある。さそり座が球状、散開、散光星雲をたくさんかかえているのは銀河の中心方向に近いためである。天の川も複雑に入りくんでいる。
(石炭袋 ・ リチウム ・ ルビー)
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タイタニック 【他の物語】
イギリスの豪華客船。タイタニック号。処女航海のときに氷山に衝突し、沈没してしまう。
1912年4月10日、サウサンプトンからニューヨークに向けて処女航海に出航したが、4月14日夜にニューファウンドランド島沖合いを航海中、氷山に接触し、約3時間後に沈没した。この惨事は 世界中に大きな衝撃を与えた。賢治も、童話[銀河鉄道の夜]に、直接タイタニック号の名は出していないが、この事件を主要なモチーフの一つとして扱っている。その沈没する様を詳細に描写し、そこから展開させて、神の問題をジョバンニと女の子や青年たちと論争させている。(参考:宮澤賢治語彙辞典426p)
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ふたごのおほしさまのおみや[双子のお星さまのお宮] 【銀河】【他の物語】 ジョバン二の切符
ふたご座。小さな水晶でこさえたようなお宮がふたつならんでいる。一つは白色のカストル。もう一方はオレンジ色のポルックス。それぞれを銀星、銀星と呼ぶこともある。
ギリシア神話ではこの双子星はゼウスの子とされ、ポルックス(弟)は不死身で、カストル(兄)がイダズ兄弟に殺された後、弟は自分の命を兄に分け与え、一日交代で神々の世界とあの世に一緒に暮らしたという。いかにも賢治好みの神話で、双子が白鳥(ゼウスの化身)の子である点を考えると童話[銀河鉄道の夜]と[双子の星]の結びつきはかなり重大な意味をもってくる。(参考:宮澤賢治語彙辞典610p)
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