ベートーヴェンの恋路物語 つづき

そんなある日宮廷楽団のマキシミリアンに呼ばれ楽士控え室に行きました。そこには、バルトシュタイン伯爵やネーフェ先生が来ていました。「ベートーヴェン君、君にはウィーンへ行って勉強してもらうことになったよ。大いに音楽を磨いてきて欲しい。」そう言われたルード ヴィッヒはついに憧れのウィーンへ行くことになりました。しかし、わずか三ヶ月しかいられなかったのです。そこで待っていたのは懐かしの友人ヴェーゲラーでした。そして、ヴェーゲラーによってモーツアルト先生に会いに行くことになりました。ルード ヴィッヒの演奏はモーツアルトにも認められましたが弟子になることはできませんでした、なぜならばもうすでに弟子がたくさんいたからです。しかし、モーツアルトは確信していました、彼はきっと有名になると・・・。そして、ルードビッヒは自力で我が道を切り開いていくと決心しました。そんなある日、母マグダレ ーナからの手紙でルードヴィッヒはボンに帰らなければならなくなりました。

間もなく母マグダレーナは亡くなりました。ある日、ハイドンがボンに立ち寄りました。そこでルード ヴィッヒはハイドンに弟子入りすることになりました。その時、ルードヴィッヒが再びウィーンへ出発したのは、母を亡くして5年経っていました。ルードヴィッヒ22歳の冬でした。その頃父ヨハンは宮廷を辞めさせられていました。ルードビッヒは決意しました。「ヨハンカール大丈夫だよ。僕が父さんの分まで働くから心配しないで・・・」 そう言ってルードヴィッヒは一家を支えるため昼も夜も働きました。ルードヴィッヒの身なりは野生の熊と呼ばれるほどみすぼらしい格好でした。

 



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