エイズ
免疫機構破壊の仕組み

 §1…免疫で紹介したとおり、人間や動物には免疫システムが整っています。いくつかの病気はこれで二度目以降の感染を防ぐことができます。(インフルエンザウィルスのように毎年形を変えるウィルスには免疫システムは成り立ちません。)
さて、HIVウィルスは、体内に入ってくるとどんどん形を変えます。しかも、HIVはヘルパーT細胞をのっとってしまい、抗体ができたとしても6〜8週間後になってしまいます。その頃にはHIVウィルスは形を変えていて、鍵と鍵穴の関係のできていた抗体とウィルスは結びつかず、感染にいたってしまうのです。

これを図で確認しましょう。
HIV免疫機構破壊 (1)HIVが入ってくる
(2)マクロファージがウィルスを食べる→HIVが増殖
(3)HIVがCD4(合鍵)を使いヘルパーT細胞に侵入→遺伝子をのっとり潜伏、増殖。感染していないT細胞がB細胞に抗体生産命令、他のT細胞にウィルス撃退命令
(4)6〜8週間後にB細胞が抗体を作るものの、どんどん形を変えるので抗体を作っても効かない
(5)ヘルパーT細胞からの指令が弱くマークできない、また、抗体がウィルスにはまらない
(6)キラーT細胞は抗体がマークしていないために片付けるものがわからない
(7)記憶T細胞はウィルスを記憶できない
    ↓
(8)HIV増殖
→白血球減少→免疫ができない


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