・納豆のパックを開けると、プ〜ンとにおってくるあのにおい。このにおいを良い香りという人や、嫌な臭いという人、いろいろいると思いますが、ともかく、独特なにおいですよね。どうして、におうのでしょうか。
◎においの成分
納豆は、発酵食品です。あの独特なにおいは、イソ酪酸、ニーメチル酪酸などの酸類と、含窒化合物であるピラジン類、特にテトラメチルピラジンが大切な役割をしていると思われています。実は、においの成分は、あまりよくわかってはいません。
◎発酵
細菌の発酵作用によって、生じるにおいを〈不精香〉といいます。昔から、「腐りかけのものがうまい」といわれているのは、腐っているのではなく、ちょうど発酵しているときだからなのです。食べ物を発酵させることによって、最初にはなかったおいしさと栄養がうまれてくるのです。
◎日本人の知恵
日本人は、たいへん昔から酵素を利用してきました。みそやしょうゆ、そして日本酒です。日本酒は「口噛みの酒」といわれていて、炊いた米を口に入れて噛んでいると、米のデンプンが唾液によってブドウ糖になります。これを、つぼなどにためとくと、空気中の酵母が入り、アルコール発酵をして、日本酒ができます。このように、日本人は体験的に酵素をいろいろと利用してきたのです。