ゴミ問題にはさまざまな面におけるものがあり、今回は細かく分けてみていきたいと思う。
1.スバルライン開通による観光地化によるゴミ問題
富士山は特殊な観光地である。日の出を見に来る観光客が多いため、夜間の登山客が多い。通常のポイ捨てに加え、夜間の登山では手元がはっきりしないため「うっかり」というポイ捨てが加わる。また、5合目付近の登山道では、スバルラインでの渋滞によって渋滞車輌からの吸殻・空き缶などの投げ捨てが深刻な問題となっている。
2.不法投棄
青木ヶ原樹海など、富士山周辺の森林では、同じ景観が続くところが多く、不法投棄の多い地域を特定するのが困難であり、監視がしにくい。そのため、これを悪用し不法投棄をする人・業者が多い。
また、2000年から2001年にかけてリサイクル法が制定された事により、業者の不法投棄も数を増す結果となってしまった。
現在は、不法投棄されたゴミを処理する費用が少なく、処理が難しい。
3.山小屋から出るゴミ
山小屋から出るゴミは、し尿と同様、以前は自然による浄化が不可能な瓶・缶・プラスチック類などはふもとに運んで処理をし、生ゴミ等それ以外の自然に分解されるゴミは、焼却・埋め立てという方法で処理されてきた。しかし、最近では観光客の増加のため、自然による分解作業が追いつかなくなった。また、焼却という方法でのゴミの処理は、近年大きく取り上げられた「ダイオキシン問題」により、問題が生じ始めた。このような状況の変化により、2003年からは、山小屋から出たゴミは全てふもとに下ろして処理する事が決定した。
しかし、7合目以上にある山小屋はブルドーザーでゴミをふもとまで運ばなくてはいけなくなり、運搬費がかかってしまう。その上、運搬にかかるコストは、年によってばらつきがあるため、先の見えない負担となり、これも一つの大きな問題となっている。
それ以外にも…
樹海に残されたマーキング用のテープなどの放置が環境破壊の一因となっている。