index / 食の民/ ホットケーキのキツネ色 |
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![]() こんがりと焼けたホットケーキの美味しそうなキツネ色。バターをのせたり、ジャムをつけたりすると幸せな気分になれます。 このコラムでは、「ホットケーキはどうして キツネ色なんだろう?」という、本当にどうでもいいコトについて書いていこうと思います。 |
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1912年にフランスのメイラードが発見した「メイラード反応」(*1)という化学反応によるものです。 反応は超複雑で、まだよく分かっていない部分が多いのですが、 糖とタンパク質(アミノ酸) が結びついてキツネ色の物質、メラノジンが出来ることによるとされています。 ![]() 普段は1週間以上かかるユックリとした反応ですが、熱があると早く進む性質を持っいます。 ホットケーキを焼くときにメイラード反応が促進され、こんがりキツネ色になったのです。 (*1)アミノカルボニル反応とも呼ばれる。 |
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メイラード反応はホットケーキだけに起こる反応ではなく、タンパク質+糖という条件がそろえば何にでも起こる反応です。 キツネ色をした食べ物、例えばパンやみそ、コーヒーなども、メイラード反応によるものです。その他代表的なものに、 クッキー、せんべい、ポテトチップス、ビール、ヤクルト、くんせい、カステラ、ジュース、肉、しょう油などがあります。 ちなみに赤みそ、白みそで色は違うのは、熟成期間が違い、つまりメイラード反応の進み具合が違うからです。 |
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そしてぼくは思いました。 メイラード反応を起こさなければ、 「白いホットケーキ」 を作ることができるかも?―と。 ここでやらなきゃGLORYHOLEの名がすたる。 実際に作ってみました。 |
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材料は次の通り。 たまご (タンパク質あり) ベーキングパウダー 小麦粉 (タンパク質あり) ミルク バター (タンパク質あり)ここで復習。メイラード反応はさっきもいった通り、 糖とタンパク質 で反応が進みます。 ![]() タンパク質はタマゴ、牛乳、バターなどに含まれているので、抜くことはほぼ不可能です。そこで、「砂糖」を抜いてホットケーキを作ることにしました。 (牛乳にも乳糖が含まれていますが、微量のためここでは関係ないことにしました) |
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そして出来た「砂糖抜きホットケーキ」がコレです。 ![]() 本当に出来てしまいました。 白いです。あのホットケーキとは思えません。 でもこんなの作れるんですね。 多分失敗するだろうなと思っていただけに、ぼく自身おどろきましたw ちなみに砂糖を半分の量だけ入れたときは、 ![]() ちょっぴりキツネ色。。 そして砂糖を普通の量入れると、 ![]() お馴染みのキツネ色です。 比較してみました。 ![]() ←砂糖少 砂糖多→ 結論 「白いホットケーキ」を作りたければ 「砂糖」を入れなければいい。 |
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オマケに白いホットケーキのレシピを下に載せています。 よろしければ作ってみて下さい。 なかなかのマズさです。 砂糖には、ふっくら焼き上げたり、おいしさを引き出すために 品質改良材としても使われています。 メイラード反応を体感し、なおかつそんな砂糖の側面を知ることができる一石二鳥の実験なので是非(笑) 材料 小麦粉(薄力粉) 100g 卵 1個 ベーキングパウダー さじ1杯 ミルク 70cc バター 20g 作り方 1・卵をボールで溶く。 2・バターを溶かし、その他の材料と共にボールに入れてかきまぜる。 ダマにならないよう注意しながらも、混ぜすぎると膨らまない。 3・フライパンに油を引き、少し温まったらおたま1杯分の液を流す。 4・表面にフツフツと穴があいてきたら裏返し、 フォークをさしても液がつかなくなったら完成。 使い方 白さを観察し、感動し、そして食する。 不味さを感じつつ、砂糖のありがたみを実感する。 |
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キツネ色になる反応で、メイラード反応の他に有名なものとして、「カラメル」があります。プリンのソースや、べっこう飴で有名ですね。 糖が分解したり、不規則な結合をおこしてキツネ色の物質を作ることによるんですが、これは160度以上にならないと起こりません。 つまりホットケーキではほとんど起きないということです。(少しは起きている) またリンゴを置いておくとキツネ色(褐色)になる「酸化分解」というのもあります。 こちらはメイラード反応にも近いそうなんですが・・詳しくは知りません(ぉぃ) 情報募集中・・(w ちなみに「コゲ」もキツネ色・・というか、黒色になりますが、 こっちは炭化、つまりスミ化なので関係ないです。 木を燃やしたら黒くなるのと同じですね。 |
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さて、何回言うんねんッって感じですが、メイラード反応は 糖とタンパク質 で起こります。 ![]() これのおかげでホットケーキは、おいしそうなキツネ色になるわけです。 でも―よくよく考えてみると、コレって食べ物に限らずどこにでもある組み合わせですよね。 そう、例えば人体です(笑) まだまだメイラード反応は複雑で解明されていない部分が多いんですが、 老化や成人病、動脈硬化などに影響されているのではないか?と 言われていたりもします。 ![]() 身近だけど奥が深い、身近だけどまだ判っていない、そんな反応の紹介でした―。 |
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