このページはカレーと人の体、健康との奥深い関係についてです。下の二つのどちらか、見たいほうをクリックしてみてください。 1.カレーはなぜおいしいの?
2.カレーの栄養
1.カレーはなぜおいしいの?
「おいしい」と感じるのは味覚(味)だけではありません。視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の五感、またそれが大脳に記憶されることによってはじめて「おいしい」と感じるのです。では、なぜカレーはおいしく感じるのでしょうか?顔の周りをクリックしてみて下さい。
<大脳>
カレーの風味、味わいは大脳に伝わり、記憶されます。また、子供たちには家族そろって楽しい雰囲気で食べたことも大脳にインプットされます。味もよく、楽しかった記憶のあるカレーはその人にとって安定した食品となります。これが大人になっても残っており、「おふくろの味」として記憶されるのです。
<視覚>
まず、カレーを、前にした時ほどよいとろみをもってご飯の上にとろっと広がっている様子が見えます。とろみが強すぎたり、水っぽくてもおいしそうには見えません。まずはここで食べたいか食べたくないかを判断します。
<聴覚>
カレーにはにんじん、たまねぎ、じゃがいも、肉など多くの具が入っています。これらの具の違いによって色々な歯あたりが感じられて良いのです。また、薬味などを途中で口の中に入れると違った音が聞こえ、よりいっそう聴覚が刺激されるのです。
<嗅覚>
カレーが出された時においしそうな臭いが漂ってきます。またスプーンですくって食べた時にも口の中いっぱいに香りが広がるのが分かります。たんぱく食品を炒めたり、焼いたりするとメイラード反応という反応がおこり、美しいきつね色がついて食欲をそそる香りがつくのでカレーには良い香りがついているのです。この良い香りと味が組合わさると、風味とよばれるものになります。これは食べ物を口に入れた時に発する香りが鼻へ抜けて嗅覚が感じる仕組みになっていてカレーはこれが強いのです。
<味覚>
これは当たり前ですが、カレーを口に入れた時カレーの味が口いっぱいに広がります。普通、ものの味わいには甘味、酸味、塩味、苦味の四原味があります。そこに「うま味」と呼ばれるものも最近加わりました。カレーのうま味はどのようにでき、なぜ多いのかというと…カレーの作り方に秘密があります。カレーは具になる野菜や肉を油で炒めてから煮込みます。よって、強く熱した油はすぐに料理の表面を固まらせて、うま味を閉じ込めるのです。こうしてから煮込むとうま味が抜けず、具としておいしく食べることができます。また、カレーに含まれた油は舌に薄い膜が張るように広がります。この油の膜は甘味、酸味、塩味、苦味など水に溶ける成分をはじく性質を持っているため、味の成分が直接味覚細胞を刺激することがありません。これによってカレーに含まれるスパイスの風味(味と臭い)がやさしく味わえるのです。さらに、カレーのうま味というものは野菜から引き出されています。特にカレーにかかせない野菜の「たまねぎ」は重要です。生のたまねぎ独特の強い刺激臭と辛みは熱を加えることによって甘味成分にかわります。この自然な甘さがカレーのうま味を深くする働きをしてくれるのです。
<触覚>
カレーには多くの舌触りの変化、飲み込む時の喉越しが感じられ、やはり聴覚同様食べ物の種類に応じて変化が楽しめます。
2.カレーの栄養
食品名 重量(g) エネルギー(kcal) たんぱく質(g) 脂質(g) 炭水化物(g) ナトリウム(mg) ぶた 40 102 7.1 7.7 0 22 にんじん 20 8 0.1 0 1.9 4 じゃがいも 40 29 0.6 0 6.7 0 たまねぎ 60 19 0.5 0.1 4.4 2 なたね油 5 46 0 5 0 0 カレールウ 18 92 1.2 6.1 8 756 米 140 235 3.5 0.4 51.9 1 合 計 323 531 13 19.4 73 786 1日あたりの目安量に
対する割合(%)27 22 39 24 20
カレーはにんじん、たまねぎ、じゃがいもという三種類の野菜に加えて、肉も入っています。それによってバランスのとれた一皿となっているのです。また、病気にも効くというスパイスも多く入っています。このように栄養が高いので学校給食やかつては軍隊食などにとり入れられていました。ちなみに、スパイスには消化器を刺激して消化液の分泌を多くしたり、血液の循環をよくする働きがあります。これが辛いスパイスだとさらに効果があがります。だからカレーを食べた後は汗をよくかき、皮膚の表面温度を下がります。よって、一種の暑さ対策となり、夏に食べるとよいのです。