みその歴史
みその先祖は、呼び方が似ていて700年代の記録に残っている「未醤【みしょう】」だと言われて
います。また、未醤は「ひしお」の仲間だったと考えられています。未醤の材料は大豆、
米にこうじ菌がついた米こうじ、麦、塩、酒です。
鎌倉時代に禅宗の寺で大豆と塩で作る豆味噌が作られるようになり(空気中にあるこうじ菌の
働きで大豆がみそになった)、大豆がつぶになって残るので、お坊さんたちは「すり鉢」で
すり潰していました。これを汁に入れたのがみそ汁の始まりだと言われています。
鎌倉時代に武士がみそ汁を飲んでいたという記録がありますが、みそ汁を飲むことができるのは
お坊さんや武士などの特別な身分の人だけでした。一般の人も飲むことができるように
なったのは、大豆の生産が増えた室町時代からでした。室町時代には樽が発達しました。
樽は板を並べ、竹の輪で形づくった容器で市で売るために運搬用に作られました。
みそは樽につめておいしくなるまで保存し、発酵させていました。また、戦国時代の武士は、
みそを戦場へ持っていって食べていました。
江戸時代には、米が多くとれる地域で大豆に米を加えて作る米みそが作られ、麦のとれる
地域では麦みそが作られました。また、ご飯のおかずとしてなめみそが人気を集めていました。
1950年頃までは、みそは自宅でしこんでいましたが、1960年過ぎに工業化が進むと
自宅でしこむのをやめ、買う人が多くなりました。