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豊かな日本語☆その1「季節を感じる日本語 編」
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秋の言葉
―秋は夕暮れ。
夕日のさして山の端(は)いと近う(ちこう)なりたるに、烏(からす)の寝どころへ行くとて
三つ四つ、二つ三つなど、飛びいそぐさへあはれなり。
訳:秋は夕暮れ(がいい)。
夕日がさして山の端にたいそう近くなっているころに、烏(からす)がねぐらへいこうとして、
三羽四羽、二羽三羽などと、飛び急ぐのまでがしみじみと感じられる。
下の表からお好きな秋の季語をクリックしてください!
赤とんぼ あか[とんぼ]
夏から秋にかけてよく見かける、秋の風物詩です。
一口に「赤とんぼ」といってもそれは、トンボ目アカトンボ属の
アキアカネやミヤマアカネなどの総称で、大部分は腹部が赤いです。
秋光 あきみつ
秋の日差しのことです。また、本来は秋の景色という意味で使われます。
夏の日差しよりもちょっと弱い日差しでしょうか。
秋めく あき[めく]
[めく]は「〜のような状態になる」という意味があるので、秋めくは
気候が秋らしくなった、秋の気配が感じられるというときに使います。
同じように、春めく・夏めく・冬めくという言葉もあります。
朝寒 あささむ
秋の朝方のうすら寒さ、また明け方に寒さを感じる頃のことをいいます。
だんだん寒くなってくる時期ですよね。布団はちゃんとかぶって寝ましょう。
稲刈り いねか[り]
秋に、実った稲を収穫する(刈り取る)ことです。
稲から取れるお米は日本の主食なので、稲は日本の農業で
最も重要な作物です。
秋一番に出荷された新米はとてもおいしいですね!
刈田 かりた
稲を刈った後の田んぼの様子のことです。
刈り終えたばかりの田んぼでは、藁[わら]の香りが立ち込めそうですね。
きのこ [きのこ]
皆さんご存知のきのこです。秋の食物としては定番ですね。
その中でも「松茸[まつたけ]」はとても有名ですね。
また、きのこの中にも有毒なものがあるので、きのこ狩りの際には
お気をつけください!
紅葉 こうよう
木の葉が、黄色や赤など鮮やかな色に変化する現象のことです。
この短い時期限定の、とても綺麗な山の芸術ですね。
京都の紅葉は有名です。
残暑 ざんしょ
立秋[りっしゅう]が過ぎてもまだ残っている暑さのことです。
いつまでもダラダラと暑いなんて、嫌ですね。
今年(2005年)の残暑はちょっと残りすぎていたように感じました。
十五夜 じゅうごや
普通は満月の夜のことをいいますが、特に陰暦八月十五日の夜は
団子や芒[すすき]の穂、果物、里芋[さといも]などをお供えして
月を祭ります。
昔は、このお供え物を子供たちが持ち去って喜ぶという
かわいらしい風習もあったそうです。
秋冷 しゅうれい
秋になってから感じる、冷たい空気のことです。
だんだんと冷えてきて、肌寒くなる時期でしょうか。
芒・薄 すすき
秋の七草の一つで、主に荒地に生えています。
秋の植物といったらやっぱり芒です。芒が風に揺られている
風景は何だか落ち着きます。
そぞろ寒 [そぞろ]さむ
なんとなく寒いと感じることです。漠然としていますね。
気候の「寒い」、ではなくて精神面からの「寒い」の
意味合いが強いかもしれません。
台風 たいふう
秋になるとよく発生しますね。
台風は、年間平均で二十七個発生し、このうち三個前後が
日本に上陸します。
上陸してからは各地に風水害を起こします。
竹の春 たけのはる
竹の新しい葉がたくさん生えてくる時期のことです。
竹にとっては春のような時期だから、「竹の春」というんですね。
ここで有名な詩、萩原朔太郎の「竹」を紹介します。
(萩原朔太郎についてはこちらから)
竹が生長し、伸びていく姿を表現しています。
竹の強い生命力がよく伝わってきますね。
月見 つきみ
文字通り、月を眺めて楽しむことです。
特に、十五夜[じゅうごや]・十三夜[じゅうさんや]の満月を
見ることをいいます。そのときには、月見団子とその年収穫した
作物を供えて、穂の出た芒[すすき]を飾ります。
初嵐 はつあらし
立秋[りっしゅう]のあとに、初めて吹いた強い風のことをいいます。
また、このころに吹く嵐のことです。
季節の変わり目に吹く風は、もの凄いですよね。
気温と関係があるのでしょうか。
夜長 よなが
秋が深まるにつれて、夜が長く感じられるようになったことをいいます。
または、ただ単に夜が長いことをいいます。
冬に向けて、だんだんと日が落ちるのが早くなってきたんですね。
立秋 りっしゅう
二十四節気[にじゅうしせっき]の一つです。
二十四節気とは、暦の上での季節の区切りのことで、
立秋は八月七日頃です。
流星 りゅうせい
これは、流れ星のことです。流れ星が出ている間に
三回願い事を唱えると、願いがかなうといわれていますが
皆さんは見たことがありますか?
この流星が、地上に落ちてくると「隕石[いんせき]」といいます。