トップ
≫
日本語の美しさ
≫
豊かな日本語
≫
豊かな日本語☆その1「季節を感じる日本語 編」
≫
冬の言葉
―冬はつとめて。
雪の降りたるはいふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらいでもいと寒きに、
火など急ぎおこして、炭もて渡るもいとつきづきし。
訳:冬は早朝(がいい)。
雪が降っている朝はいうまでもなく、霜がたいそう白い朝も、またそうでなくてもたいそう寒い朝に、
火などを急いでおこして、炭を持って運ぶのもたいそう似つかわしい。
下の表からお好きな冬の季語をクリックしてください!
風花 かざはな
晴れた日に、風に吹かれてちらつく雪のことです。
このときにちらつく雪がキラキラとして花のように見えるから
「風花」といったところでしょうか。
門松 かどまつ
お正月に、家の門の前に立てる三本の松の飾りのことです。
一度は見たことがあるでしょう。最近は、門松を立てている家を
見かけませんが、これも大切な日本の文化ですね。
竈猫 かまどねこ
少しでも温まろうと、火のぬくもりを求めて、竈[かまど]に
やってくる猫のことです。
寒がりな猫のかわいらしい行動ですね。
空風 からかぜ
冬に吹く、カラカラに乾燥した冷たい強い風のことです。
主に関東地方で吹き荒れます。
この空風の影響で、冬は乾燥が激しいのですね。
狂い咲き くる[い]ざ[き]
時期はずれに花が咲くこと、時期はずれに咲いた花のことをいいます。
原因は異常気象などによるものです。
地球の変化に植物は敏感[びんかん]に反応するのですね。
木枯らし こが[らし]
秋の終わり頃から冬にかけて吹く、強くて冷たい風のことをいいます。
木をも枯らしてしまうほど冷たい風、という意味ですね。
木枯らしに当たりすぎると風邪を引いてしまうので、気をつけましょう!
小春日和 こはるびより
冬の初めの頃に訪れる、春のように穏やかな日のことをいいます。
それはまさに「小さな春」!
たまにこんな暖かい日が来てくれると、少しホッとしますね。
三寒四温 さんかんしおん
寒い日が三日間続くと、そのあとの四日間は暖(温)かい
という現象のことです。
このように少しずつ、じりじりと春になっていくのですね。
早く暖かくなってほしいです。
除夜の鐘 じょや[の]かね
大晦日の夜十二時頃から元旦にかけてお寺で鳴らす、
大きな鐘のことです。
百八煩悩[ひゃくはちぼんのう]という心の迷いを無くすために
百八回も打ち鳴らします。
除夜の鐘は「心の迷いを除去するための鐘」なんですね!
この鐘の音を聞くと、年を越したという実感がわいてきます。
忘年 ぼうねん
文字の通り、年の終わりに、その年にあった苦労を忘れること
をいいます。十一月十二月になると、よく大人の人たちが
忘年会をやっていますね。
あれも、その年の苦労を忘れるためにあるのです。
歳暮 せいぼ
年の暮れのことをいいますが、その時期に、その年お世話に
なった人などに送る贈り物のことも歳暮といいます。
お世話になった人に贈り物をするなんて、日本人らしいですね。
節分 せつぶん
この日は、「鬼は外!福は内!」と言いながら炒り豆をまく日ですね。
これは、悪いものを外に出して、福を家に招き入れるという意味があります。
また、自分の年の数だけ豆を食べると幸せになれるそうですね。
底冷え そこび[え]
身体が冷え切るほど、厳しく冷え込むことです。
日本は季節ごとの気温の差が激しいですね。
少し嫌なときもありますが、それも日本の良さなのだと思います。
氷柱 つらら
雨や雪などの滴[しずく]が凍って、垂れ下がっているもののことです。
よく屋根の端に下がっていますよね。
まるで「氷の柱」のようだから「氷柱」といったことろでしょうか。
冬至 とうじ
二十四節気[にじゅうしせっき]の一つです。
二十四節気とは、暦の上での季節の区切りのことで、
冬至は十二月二十二日頃です。
この日は、一年で昼がもっとも短い日です。
冬構え ふゆがまえ
家や庭に防寒の備えをしたり、冬を迎えるときの準備をすることです。
家や木が雪に潰されないように囲いをしたりするのです。
豪雪地帯ではとても重要な作業ですね。
冬篭り ふゆごもり
冬に、動物が自分の巣の中でじっとして動かないこと、
または、人間が寒いのを避けて家の中でじっとしていることをいいます。
動物が巣から出てこないというと冬眠のようですが、
冬眠に近い状態なだけであって冬眠ではありません。
寒いときは動物も人間も、自分の家から出たくなくなるのは同じようですね!
冬ざれ ふゆ[ざれ]
冬の季節であること、または、冬になって木や草が枯れてしまい、
景色が荒れてしまっていることをいいます。
春、夏、秋と、目を楽しませてくれた景色が荒れてしまうと
何だか切ないですね…。
冬凪 ふゆなぎ
凪[なぎ]には「風がやみ、波(海面)が静か・穏やかになる様子」
という意味があります。
よって、冬凪は「冬の海が静かで、穏やかな様子」のことをいいます。
ちなみに凪は、陸上と海面の温度差がなくなると起こります。
だから凪は、毎日、朝と夕方に一回ずつ起きているはずなんです。
冬めく ふゆ[めく]
[めく]は「〜のような状態になる」という意味があるので、冬めくは
気候が冬らしくなった、冬の気配が感じられるというときに使います。
同じように、春めく・夏めく・秋めくという言葉もあります。
虎落笛 もがりぶえ
虎落[もがり]とは「竹を組み合わせて作った柵」のことです。
よって、虎落笛は「強い北風が柵や電線に吹きつけたときに出る
笛のような音」のことをいいます。
柵や電線でなくても、窓の隙間から入ってくる風はピューピューと
音を立てていますね。
だから、北風を表現するときに「北風ピューピュー」などと言うのでしょうか。
立冬 りっとう
二十四節気[にじゅうしせっき]の一つです。
二十四節気とは、暦の上での季節の区切りのことで、
立冬は十一月八日頃です。