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豊かな日本語☆その1「季節を感じる日本語 編」
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夏の言葉
―夏は夜。
月のころはさらなり、やみもなほ、蛍の多く飛びちがひたる。
訳:夏は夜(がいい)。
月の明るいころはいうまでもなく、闇のころでもやはり、
蛍がたくさん飛び交っている(のは趣[おもむき]がある)。
下の表からお好きな夏の季語をクリックしてください!
天の川 あま[の]がわ
空の星がたくさん集まって帯状になったのを、川にみたてたものです。
七月七日(七夕)の夜、織姫[おりひめ]と彦星[ひこぼし]が、年に一度だけ
この天の川を渡って会うというのは、有名な話ですね。
空蝉 うつせみ
蝉[せみ]の抜け殻のことです。夏になるとよく見かけますね。
小さい頃にたくさん集めたことがある人もいるのではないでしょうか。
抜け殻は小さいのに、蝉の元気な鳴き声を聞いていると、
生き物って凄いなと思います。
蚊遣 かやり
木の葉やみかんの皮などを燃やして、蚊を追いやることです。
今でいう蚊取り線香の役割をしていたんですね。
今も昔も蚊を嫌がる気持ちは変わらないようです。
夏至 げし
二十四節気の一つです。この日、日本では最も昼間が長くなります。
二十四節気とは、暦の上での季節の区切りのことで、
夏至は六月二十二日頃です。
六月とは、意外と早いのですね。
黒南風 くろはえ
黒いハエのことではありません!!
黒南風とは、梅雨どきの、どんよりしている日に吹く南風のことです。
確かに、梅雨に入ってから吹く風は、何だか湿っているし
空は曇っているので、黒いイメージがありますね。
反対語として白南風[しらはえ・しろはえ]があります。
薫風 くんぷう
夏の初め、若葉の香り(薫り)を漂わせて吹いてくる南風のことです。
これから暑くなる時期にふさわしい爽やかな風ですね!
白南風 しらはえ・しろはえ
白いハエのことではありません!!
白南風とは、梅雨明けの頃に吹く南風のことです。
黒南風[くろはえ]と違って、白南風はすっきりした明るいイメージですね。
青嵐 せいらん
山の緑が青々としている様子、または、青葉を吹き渡る風のこと
をいいます。緑色が深くなった葉が、風にそよいでいる様子は
まさに青い嵐!といったところでしょうか。
夏めく なつ[めく]
[めく]は「〜のような状態になる」という意味があるので、夏めくは
気候が夏らしくなった、夏の気配が感じられるというときに使います。
同じように、春めく・秋めく・冬めくという言葉もあります。
入道雲 にゅうどうぐも
夏の空によく見られる、もくもくと高く盛り上がっている雲のことをいいます。
また、その形が大入道に似ていることから「入道雲」と呼ばれるようになりました。
大入道とは、とても大きな坊主頭の化け物のことで、よく昔話に出てきます。
薄暑 はくしょ
初夏の頃の、少し汗ばむくらいの暑さのことです。
「あぁ、暑くなってきたな」と思う頃でしょうか。
日盛り ひざかり
一日のうちで、太陽の光が一番強い時間のことをいいます。
特に、午後の一番暑いときをいいます。時間でいうと、二時くらいでしょうか。
日の盛り、ですね。
旱 ひでり
暑い晴れの日が続いて、川や井戸などの水が枯れてしまうことです。
日で干される、で「旱」といったところでしょうか。
水無月 みなづき
六月の別名です。
水の無い月、と書きますが、六月は水が多く、田に水を引く時期です。
なぜ水無月というのでしょうか。
実は、水無月の[な]は「無い」という意味ではなく、[の]という意味なのです。
水無月は「水の月」という意味だったのですね。
浴衣 ゆかた
夏になったら、誰もが一度は着たことがあるでしょう。
普通の着物よりも薄手の着物です。
「ゆかたびら」の略で、木綿で作ってあります。
立夏 りっか
二十四節気[にじゅうしせっき]の一つです。
二十四節気とは、暦の上での季節の区切りのことで、
立夏は五月五日頃です。
昔は、この日から夏に入るとされていました。
冷夏 れいか
いつもに比べて気温が低い日が続く夏のことです。
暑いはずの夏が冷たいんですね。農作物に大きな打撃を与えます。