河童の講釈(こうしゃく)がはじまりました。
「まず、妖怪とはおいら達のことだ」

「うん」

「……すまん。これ以上、なんと言えばいいのかわからない」
河童は、困った顔をしながら言いました。
ユウタは、思わずこけてしまいました。

河童は繕う(つくろう)ように言います。
「だって、ユウタは、『人間って何?』と聞かれたらどう答える?」

「うーん…」
ユウタは、首をかしげて考えます。

「それと同じことだ。」
河童は、道端に置いておいたキュウリを食べながら言いました。