[ロココ美術] ロココの語源は、庭園(ていえん)の、 貝殻などを並べた装飾の名称ロカイユである。 そして1730年代に、当時流行していた 複雑な曲線からなる装飾デザインがロカイユと呼ばれ始めた。 絵画は軽妙な感覚性を好むこの時代の美意識に 最も合った領域(りょういき)であった。 そのためか、世紀の中ごろから、サロンが定期的に開催されるようになった。 出品者は会員に限られていたとはいえ、 芸術品が不特定多数の顧客の目に触れる機会となった。 またサロンの批評を書くことによって始まったとされる美術批評や、 画家と顧客の仲介をする画商の増加も、 芸術家とパトロンの関係を流動的なものにした。 絵画技法の面でも、水彩、版画などの比較的手軽に 制作し、流通させることの可能な分野の流行が 美術市場の活性化に役立った。 |