首飾り事件

首飾り事件

首飾り事件とはマリー・アントワネットをめぐる詐欺事件のことです。
当時のフランスは度重なる戦争で国費が底をつく寸前でした。そのため平民や農民は重税が重くのしかかっていました。その上、不作が重なり毎日のパンさえ食べることがままならなかったのです。

このころのマリーは結婚してから8年目にして初めての子供、マリー・テレーズ(長女)を授かりました。
この二年後、皇太子ルイの誕生には花火が打ち上げられ国民は喜びに沸きました。
1785年には次男(のちのルイ17世)が生まれ、翌年に次女ソフィー(早世)が誕生。


マリーが子育てに一生懸命なとき、事件は起こりました。
ラ・モット伯夫人が、マリーアントワネットに接近を望む、カトリック教会の高級清祥である枢機卿(すうききょう)ロアンを利用して、ダイヤの首飾りを詐欺しました。
内容は、マリー・アントワネットと交流があると嘘をついたラ・モット夫人が、職人であるベーマーが作ったダイヤ600個からなる160万リーブルの首飾りを、マリーアントワネットの代わりに代理購入するというものです。
その仲介者として、ロアン大司教が利用され、だまされたロアン大司教はラ・モット夫人にそのダイヤの首飾りを渡してしまいます。
その後、お金がいつまでたっても払われないことに業を煮やしたベーマーが宮廷に訴えかけ、事件が明るみに出ました。
その時から人気が急激に落ちていたマリー・アントワネットは無実の罪で有罪にされてしまいます。
マリーは被害者でした。
けれども、国民が飢えに苦しんでいるときに王妃は百六十万リーブルもする首飾りを買った、買わないかで騒いでいるのを見た国民は「フランス国民の敵」「オーストリア女を許すな」「赤字婦人」と不満のはけ口を外国人の王妃へ向けたのです。 この事件により、宮廷の腐敗が明るみに出ることとなりました。


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