ダーウィンの進化論に迫る!!
〜自然淘汰について〜
 前述した問題についてダーウィンは、当時のベストセラーになっていたイギリスの経済学者マルサスの「人口論」に影響されました。
 マルサスの「人口論」というのは、人口が増えすぎると、その影響で食糧不足による飢餓が発生するということです。食糧不足が起きないように、人と人の間で戦争が起こり、殺しあうことで人口の増加が抑制されるというのが「人口論」です。
人口が増えすぎないように戦争が起こり人口増加が抑制される
人口が増えすぎないように戦争が起こり人口増加が抑制される


 ダーウィンは、育種家が飼育する動植物を選択するように、自然界にも類似した選択があるのに気付きました。
つまり、住む環境に順応しない生物は絶滅し、順応する生物は生き残るようになります。生き残った生物は、環境に順応するように変異していくとダーウィンは考えたのです。
順応できているキリンと順応できていないキリン
順応できているキリンと順応できていないキリン


 今、地球上にいる人類は急速に増加してきています。
 1800年には人口が10億人、1900年には2倍の20億人、1987年には100億の半分の50億人、1999年には60億人、2008年6月現在では66.85億人です。あと1500万人ほどで67億人になります。しかし、1種の生物が地球を覆い尽くしてしまった事例はありません。


 ダーウィンは、1種の生物の数が一定に保たれる理由を次のように考えました。
 魚は多くの卵を生みます。その多くの卵のほとんどは、成長する前に他の生物の獲物にされてしまいます。だから、1種の生物の数が一定に保たれるのです。このことを自然淘汰といいます。
×は成長する前に食べられてしまう魚
生き残る魚は非常に少ないです。
生き残る魚は非常に少ないです。


 ダーウィンは、自然淘汰に関する実験をしました。
 芝生があるガーデンの決められたスペースに20種類の植物を植えました。すると、11種類だけ育って、残りの9種類は枯れてしまいました。育った11種類の植物が成長力が強いといえます。これも、自然淘汰です。


 先ほどの魚の例でもあるように、獲物にされなかった魚を適者といいます。
 適者の生き残ることを適者生存といいます。ライオンの獲物のシマウマに例えるなら、足が遅くて食べられてしまうシマウマに対して足が速く逃げ切ることのできるシマウマを適者といいます。
適者生存
足の遅いシマウマは食べられてしまいます。 足の速いシマウマは生き残ります。



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