富士山の生態系

 最大直径40キロメートルの山体は、海抜0メートルの駿河湾から、3776メートルの山頂まで一気に上っています。その裾は温暖な静岡県にありながら、山頂は永久凍土という、植物が育つにあたっては厳しい環境になります。
     


 また、富士山は標高は高いわりに、日本の他の高山に比較すると高山植物などの植生に乏しいです。これは富士山が最終氷期が終了した後に山頂から大規模な噴火が繰り返したために山の生態系が破壊され、また独立峰であるため、他の山系からの植物の進入も遅れたためであります。中部山岳地帯の高山の森林限界の上には
ハイマツ帯が広がっているのが通例ですが、富士山にはハイマツ帯は欠如し、その代替にカラマツ林が広がっています。






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ハイマツ
シベリア、朝鮮半島、日本にかけての寒冷地に分布し、高山などでよく見られます。


カラマツ
北半球の亜寒帯と中緯度の高山に広く分布する落葉針葉樹です。日本の高原を代表する植物でもあり、スキー場などに多く植えられています。