富士山登山記 〜七合目〜

2008年10月12日(日)

07:03 七合目到着

須走口七合目 標高3090m



ついに大台、標高3000mを突破した。

しかし、よくここまでろくな休憩無しに頑張ったものだ。

意識は若干薄れかけ、足はパンパンにむくみ、象のようになっていた。

さすがの高校二年生もこの様子。



僕たちは一旦、ここで食事をとることにした。

準備しておいたおにぎりやSOYJOYは全て食べてしまったので、やむを得ず買うことに。

七合目の山荘太陽館は、珍しく営業しており食糧の販売がされているのだ。

・パン…300円
・飲料各種(500ミリペットボトル)…500円
・ココア…400円
・豚汁…900円
・カレーライス…1200円

この物価感。

とりあえず登頂に備え、飲料だけは確保することにしたが、コーラを買おうとすると、やめるよう激しく勧められた。

高度が上がると気圧が低くなり、二酸化炭素が腹の中で膨れて苦しくなるとか。

現地の人の話程ためになるものは無い、と改めて痛感した。

そして30分程の休憩を挟み、男たちは再び登り始めた。



俺たちは負けないぞ!と言わんばかりにストックで空を指す青年。

七合目を過ぎると、もはや植物は生息しなくなった。

視界に入ってくるのは、溶岩と澄み切った空だけである。

(それにしても空が青い…)



植物が減ってきたためか、登山道には大きな岩が目立ち、足が痛む。

ここまでくると2人の間に距離ができ始め、話しながら歩くことは少なくなってきた。

久々に会話を交わしたのは、本七合目に到着したときだった。

08:04 本七合目到着

須走口本七合目 標高3200m



「ペース早すぎだよ!」

「お前が遅いだけだよ!」

もはやこんな会話しかでなかった。

七合目あたりからは同じ風景が続き、心身ともに一番辛い時間であったからだ。

ただ気温は高く、むしろ五合目よりも暖かい感じがした。ちょうどいい気候で、半袖Tシャツでも平気なほどである。

本七合目の山荘見晴感は営業していなかったため、僕たちは足早に八合目へと向かうことにした…



本七合目を過ぎると急に赤土が目立つようになってきて、風景は一変した。



赤土は靴の中に入って気やすく、ただのスニーカーで登山している僕たちにとっては非常に厄介な存在だ。

日本一の山をなめかけていた部分もあり、やや後悔。

だが、ここまでくると勾配がかなり急になり、真上にはもう一つ先の八合目が見えていた。



「よし、頑張ろう」

この時の僕たちは、体はボロボロでもはや動けるはずなんてなかった。足は痛み、意識は遠のく。

だが、心だけは決して折れなかった。

「ここで諦めるわけにはいかない」

「何かが僕たちの背中を後押ししてくれている」

その何かとは何だろうか。

それは僕たちを応援してくれている人々、すなわち家族、友人、恋人、山荘の方々、学校の先生の存在と、絶対に諦めない大和魂であった。

「何苦楚!」

声を張り上げながら着実に前進。

ついに八合目が見えてきた…

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