私
私の友人"奈緒"は、運が良くも悪くも"悠輝くん"の隣の席でした。
悠輝くんの周りには、クラス中の人が集まっていました。
その隣で、 私と奈緒はそこに混ざるでもなく、離れるでもなく、二人で話をしていました。
その様子を彼、悠輝くんは見ていたのです。
じっと。
不思議そうに。
またか…
そんな気持ちが 私の心には湧いてきました。
私が友達たちと話をしていると、よく、珍しいものを見るような眼差しというのでしょうか。
とても嫌な視線を、しばしば感じます。
私にとって、 私がしていることは、ごく普通のことなのです。
なのに…
なぜ、彼が私たちを凝視していたのかお教えしましょう。
私たちは "手話" を使って話をしていたのです。
そう。
私は、耳が聞こえない、"聾者" なのです。
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