点字 2
「友達って……目が見える人?」
『うん、私の幼なじみ。私のために、点字を覚えてくれたの』
「…!」
俺は、私のために、という言葉に反応してしまって……
「俺も、点字覚えるよ!」
『ミヤモトくんが…?』
「タナカさんの……ために」
『ありがとう!
それじゃ、点字で手紙とか出来たらいいね!
あ、そろそろお風呂入らなきゃ……
今日は本当にありがとう!』
「あっ、…………なぁ、今度また会わないか?
俺、その時までに頑張って点字覚えるよ!」
『ほんと?うれしいな。それなら来週の日曜日は?』
「じゃあその日で。また街でいいか?」
『うん!じゃぁまたね!頑張って点字覚えてね〜』
「あぁ、頑張る」
そうして、電話は切れた。
よっし、頑張って覚えるぞ!!
さっそく俺はインターネットで点字をもう一度調べて、ノートに書き取った。
パソコンとにらめっこしつつ真剣な顔でノートにカリカリと何か書いている様子は、
異様なもので、母親が軽くおののいていたくらいだ。