具体例3 医療


エイズ

エイズウイルス(HIV)に感染した人をゲノム編集によって治すことができるかの実験が、2014年にアメリカで行われました。その時被験者となった12人のうちの1名は、血液からHIVが消え、6人もの人は免疫力が上がる、という結果を出すことができました。

従来は何種類もの薬を服用する、抗レトロウイルス療法、という治療方法でした。これは、副作用など大きな負担を伴うものでもありました。
そこで考えられた治療法が、ゲノム編集技術で血液中の白血球の遺伝子を一部切断して、エイズウイルスにそれ以上やられないようにする、というものです。この臨床実験では、HIV感染者に針を刺して血液を採取し、ゲノム編集を行った後に体内に戻す、という方法で行われました。
 この臨床実験の成果は、体内に血液を戻した直後に現れました。薬を飲む必要がある、というような状態から、薬を飲むことは必ずしも必要ではない、というように変わったのです。

このような新聞記事もあります。
朝日新聞デジタル ゲノム編集でHIV感染を治す 培養細胞で成功 神戸大(2018年5月19日)(朝日新聞Webサイトへリンクします)

 2018年5月、神戸大学のグループが、ゲノム編集、を使って、HIVの遺伝子を破壊することに成功したというものです。CRISPR/Cas9の技術を使って、HIVの働きをほぼ止めることができました。

病気までもゲノム編集で治すことができちゃうんだね。

そうだね。だけど、やはり病気を治すということに関しては議論も少なからずあるよ。

戻る次へ

サイトの位置を確認 (▼クリックで展開します)