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GISの活用

  • 手作業でGIS
  • MANDARA10でGIS
  • 手作業でGIS

    今回、私たちが世界の水に関する問題を考察するために活用したのは、GIS(Geographic Information System=地理情報システム)という考え方です。地図上に統計情報を重ねて可視化していくことで、情報を分析しました。

    通常はコンピューターを使ってデータの処理を行いますが、私たちはまず、手作業で地図を作成しました。地図の制作過程や、工夫点を紹介します。

    制作過程

    1.地図に用いるデータ集め

    まず初めに、地図上で可視化して分析したいデータを集めました。地図は2種類作成することとし、それぞれの地図に以下のデータを重ねました。

    地図1
    1.1人当たり再生可能な水資源量
    2.河川・山脈の位置
    3.水ストレス指標

    地図2
    1.バーチャルウォーター輸入量
    2.食肉輸入量
    3.主要穀物輸入量
    4.バーチャルウォーター貿易

    2.データを地図上に表す

    次に、集めたデータをそれぞれ地図上に表していきました。

    工夫1:透明なアクリル板を使用

    複数のデータを地図上で重ねて見ることのメリットは、上下に重なった複数のデータを比較しながら見られることです。そのメリットを生かすために、世界地図を透明なアクリル板に描き、その地図にデータを表していきました。

    工夫2:データを様々な地図表現方法で地図上に表示

    各項目が表しているデータを見やすくするために、階級区分図にするか、図形表現図にするか、ドットマップにするか、流線図にするかなど、それぞれのデータで地図表現方法を工夫しました。

    地図1
    1人当たりの再生可能な水資源量 …階級区分図を用いて国ごとに色分けし、
    色鉛筆で塗り分ける。

    河川・山脈の位置 …河川・山脈をペンで地図上に表す。

    水ストレス …水ストレスの深刻度を3つに分け、
    深刻度が高い順に赤・黄・白の3色のシールで表す。

    地図2
    バーチャルウォーター輸入量 …階級区分図を用いて国ごとに色分けし、色鉛筆で塗り分ける。
    ※今回、量を階級区分図で表してしまったため、面積が広い国で輸入量が多いように見えてしまいました。図形表現図にすべきだったという点が反省点です。

    食肉輸入量 …どの国で輸入量が多いかを一目でわかるようにするために、肉のマークを使用。肉のマーク1つあたり輸入額50万ドルと決め、その肉マークの数で食肉輸入量を表す。

    主要穀物輸入量 …円グラフを使用。円グラフの円大きさは、輸出入量を表す。円グラフの下半分は輸入量を、上半分は輸出量を表す。また、小麦・米・トウモロコシそれぞれが輸出入量に対してどれだけの割合であるかを色分けして表示する。

    バーチャルウォーター貿易 …バーチャルウォーターの流れがわかるように流線図で表示。矢印の太さでバーチャルウォーターの量を表す。(太いほど量が多い。)

    3.地図を重ね合わせる

    作成した地図を重ね合わせると、1枚の世界地図の上で複数のデータを見ることが出来るようになります。

    これらの地図を作成するために、費やした時間は約10時間!
    現在、デジタル化が進んでいますが、手作業で地図を作成したことは、世界の水に関する問題を深く理解することにつながりました。