夏の地図作成を踏まえ、MANDARA10というフリーのGISソフトウェアでコンピューターを使った地図作成に取りかかりました。私たちが作成しながら気づいた点、GISの利点などを紹介します。
MANDARA10の使い方はこちらのPDFでご覧ください。私たちの高校の1年グローバル地理で使われたマニュアルです。MANDARA10マニュアル
一見すると小さな事であまり重点を置く必要がないと考えるかもしれません。しかし人に見てもらう上で大事な要素の一つです。
今回私たちが作った地図を見てみましょう。
右の図は「一人当たりの再生可能な水資源量」です。この図は一人当たりの水資源量が多いほど濃い青で示しており、青が持つ水の豊かなイメージと一致するかと思います。
一方、上の2つの図は「水ストレス指標(%)」が多いほど濃い赤で示しています。この色が青だと誤解を招きやすいと思います。
このように水のイメージがプラスの要素は青、マイナスの要素は赤にすることでわかりやすさを求めました。
一目で何を表しているのかが分かりやすい図にすることは大切です。
「非識字率(男女計)」の階級区分は以下の凡例のようになっています。
今回考察する上で先進国のように非識字率が0%に近い国と、文字が読めない人がいる国、つまりは非識字率が一定の割合を占める国を区別したかったので低い数値での区分を細かくし、高い数値の区分はおおまかにしました。
識字率が5%以下と10%というのは国の様子が随分違います。
手書きの地図で学んだようにデータをどの表現方法で示すのか、というのを今一度よく考えました。MANDARA10では複数のデータを一枚の地図で重ねるので重ねた時の見やすさも考慮しなければなりません。
多くの地図のベースに「一人当たりの再生可能な水資源量」を階級区分図で示し、その上に異なる統計情報を重ねていきました。
基本的に割合(%)などの相対値は階級区分図で、量(絶対値)を表すものは円の大きさなど図形表現図で重ねました。
私たちははじめ、安全な水が得られるかどうかという問題には自然的な要因が大きく関係していると考えていました。しかしGISを用いてGNIや非識字率など様々な要素を重ねてみるうちに社会的な要因も大きく関係しているということがわかりました。
地図を重ねることで今まで気づかなかったことの相関関係を見いだすことができます。世界地図で重ねていると他の地域の国との状況を比較することができます。
MANDARA10を使うと手書きで10時間かかっていたことが20分で完成しました。エクセルのデータがあればすぐに使うことができるのでデータの追加も簡単で地図の色を変えたり階級区分を変えたりする作業がすぐにでき、結果もその場で表示されます。
GISを活用することで新しい情報の分析方法を学び、探究に生かすことができました。