商店が出資
茨城県土浦市を始めとして、商店やその関係者が中心となり、周辺地域のコミュニティバス運行の企画・運行ルートの作成などを行っている地域が日本各地に存在します。商店などが、自らバスの運行を立案することで期待される利点を以下に述べます。
まず、買い物に訪れる客のニーズに合った運行を行えることが挙げられます。バス会社や自治体によって運行されるバスは、運行ルートが運営側によって一方的に決められる場合がほとんどです。そのため、必ずしも利便性が高く、需要が高い中心街の商店付近にバス停が設置されるとは限りません。
しかし、商店などが主導するバスであれば、商店側が集客を効率的に行うために、店舗の近くにバス停を設置すると考えられます。そして、商店により多くの客が来店し買い物をすると、商店側の利益も増加することが予想されます。
また、バス運行に協賛している店舗である一定金額以上の買い物をすると、金額に応じバス運賃として利用可能な地域通貨を発行する取り組みを行っている地域もあります。このシステムを適用することでも、利用者側と店側の双方にメリットがあると考えられます。
まず利用者側は、買い物をすることで生活必需品を買えるだけでなく、交通費の削減という恩恵を受けることができます。そして店側は、交通費削減を助ける地域通貨を得るために、より多くの利用者が多額の買い物をして利益がもたらされることになります。
よって、商店が主体的に運行するコミュニティバスは、バスを運行する店と利用者の利害が一致する運行方法だと考えられます。