短編成・高頻度運転
鉄道において、利用客の利便性を向上するために有効な施策の一つとされるのが、短編成・高頻度運行です。短編成・高頻度運行とは、従来(改善を行う前)と比べて短い編成の列車をより高い頻度で運行することです。
例えば、6両編成の列車が1時間に1本走る路線があったとします。これを、2両編成の列車が20分に1本走るよう改良すると、合計の輸送力は変わらずに列車の頻度は3倍となり、利用客にとっては利便性の大幅な向上につながります。
メリット
列車の本数が増えるので、結果的にそれぞれの路線の利便性が向上します。デメリット
本数が増えるのに伴ってより多くの乗務員が必要となるため充分な要員を確保するのが難しくなります。さらに、人件費の上昇が起きる可能性があります。
「シティ電車」施策
短編成・高頻度化に成功した事例として代表的な例の一つに国鉄(今のJR)が各地で行った、いわゆる「シティ電車」施策が挙げられます。
この施策が初めに行われたのは広島市を中心とする山陽本線広島地区と名古屋市を中心とする関西本線名古屋地区で、昭和57年に行われました。従来は7両から8両で運行されていた編成は3両や4両と短くし、代わりに運行本数を一時間あたり1~2本から1時間あたり3~4本と増やしました。また従来不均等だった列車の間隔も均等となるようなパターンが組まれました。
その他にも他路線との接続の改善、ニーズに合わせた新駅の建設などが行われ、結果的に両地区での鉄道の利便性は大幅に改善し、利用客数の増加にもつながりました。この施策は好評だったため、全国各地の地方都市圏で同様の施策が行われ、いずれも効果を上げています。