バス転換
「鉄道のバス転換」は、不採算な鉄道路線の存続の為に様々な施策をとっても効果が無い、または採算を改善するほどの効果が得られなかった場合に行われる「最終手段」的意味合いの強い施策です。鉄道の利用客減少に歯止めがかからない、人口密度の低下で鉄道では常時輸送過多な状態に陥っている、なおかつ地元からの第三セクターの運行などを行う努力や働きかけが無い、などの場合に行われます。バス転換の際、運賃や運行本数に関してはもとの鉄道路線の形態を維持するように設定されることが多いです。
メリット
バス転換のメリットとしては、輸送需要に合った輸送が可能となるというものが挙げられます。一般的にバスの方が車体、すなわち定員数が少ないため、利用客が少ない路線においてはそちらの方が需要と供給が一致しやすくなります。例えばJR各社のローカル線区で使用されているキハ40型気動車は定員96名なのに対し、日野ブルーリボン型大型路線バスは定員76名(郊外II型座席配置の場合)、日野ポンチョ型小型路線バスは25名(ショート型の場合)となっています。定員数の減少は一見するとマイナスのイメージで捉えられがちですが、低需要路線の採算性の面では定員数の減少はむしろプラスの方向に働くことが多いです。
デメリット
デメリットとしては、効果も上げられずに不採算運行が続く、もしくはそのまま路線廃止へと追い込まれるケースが非常に多いことです。バス転換をせざるを得ないほど公共交通機関の採算性が悪化している地域においてはそもそも公共交通自体が人口減少や住民のマイカー利用で機能不全に陥っているケースが多く、バス転換を行っても「焼け石に水」状態となり、そのままそのバス路線すら廃止になってしまうケースも考えられます。