効率化
効率化は列車やバスの運行で発生する無駄を省いて運行に必要な人員や資金を削減することで、収益の改善につなげる施策です。
列車やバスの運行には、人件費やランニング・コスト、設備維持費といった費用がかかります。この様な費用がかさむと収益が圧迫され、健全な経営に対する障害になり得ます。そこで無駄な費用を洗い出して削減し、費用を出来るだけ圧縮することで、鉄道・バス路線の収益改善に繋げることが出来ます。
効率化の手段として、ハード面では新車導入や設備の更新といったランニングコスト・維持費の削減が挙げられます。ソフト面ではワンマン運転の実施や駅の無人駅化による人員削減、ダイヤの抜本的改正などの無駄の削減が挙げられます。
ハード面 の効率化
新型車両や新しい設備は、従来型の車両や設備と比較して効率性に優れます(例外あり)。そこで、従来型の車両や設備を新型の物へと置き換えることで、ランニングコストを下げることが出来ます。
ソフト面 の効率化
需要に合わせた徹底的なダイヤ改正なども運行の効率化につながります。列車やバスの運行ダイヤが利用者の需要にマッチしていない、例えば利用客の多い時間帯に本数が少ない・利用客の少ない時間帯に多くの本数が運行されているなどの場合、需要に合わせた抜本的なダイヤ改正を行うことで運行面での無駄を省くことが出来ます。
人員削減は人件費の圧縮に繋がります。例えばワンマン運転を導入することで、従来は運転士・車掌が乗務していた列車・バスが運転士のみの乗務となり、結果として車掌分の人件費が不要になります。
メリット
効率化によって、抜本的な収益改善が期待できます。減便や補助金といった一時しのぎの収益改善策とは異なり、効率化は支出の無駄を省く施策のため効果が長続きし、長期的な経営改善に繋がります。
また、新型車両や新しい設備を導入することで、冷房化、乗り心地の向上なども期待でき、利用者の満足度の向上も図ることができます。
加えて、人員削減等のソフト面での無駄の削減を行う場合、観光化などといった積極的投資による経営改善と比べて、必要な投資資金が少額で済みます。故に経営状況が悪く、大きな投資がしづらい事業者でも比較的容易に取り組むことが出来ます。
デメリット
新型車両や新設備の導入を行った場合、その後も継続的な投資が必要となります。最新の設備も導入しても、その後も投資を行ってどんどん新しい設備を導入し続けなければその設備は陳腐化してしまうため、会社は継続して新しい設備を導入し続ける必要があります。その結果、設備への多額の投資が必要となります。特に中小私鉄や小さいバス会社の場合、利益の増加を上回る投資が必要となってしまう場合もあり、逆に経営悪化を引き起こしかねません。
また人員削減等によって、労働者から反発が起こることが考えられます。さらに、要員減少による安全性の低下や、サービス低下が起きると考えている人もいます。