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茅ヶ崎市予約型乗合バス

茅ヶ崎市予約型乗合バスは、平成25年12月21日から神奈川県茅ヶ崎市小出地区内で運行されています。
当サイト内で紹介している、いわゆる「デマンド型交通」です。 利用者登録をすれば誰でも、事前に場所と時間を電話またはインターネットで予約し利用できるシステムとなっています。今回の調査では、私たちの学校(慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部)の近くにある、芹沢台田(斎場入口)からやよい会自治会館までの移動手段として利用しました。

予約まで

当日1時間前までの予約が可能です。利用者登録をすれば、Webサイトと、電話から予約が可能です。インターネットが使える人と使えない人、どちらも使える、利用者のニーズに合わせた予約方法が整備されています。
今回私たちは、インターネットにて予約しました。
インターネットで予約する際には、画像のように、地図からも利用バス停を選ぶことができ、非常に便利で分かりやすいサイトでした。

乗車レポート

乗車時間を確認し、予約をしたら乗合所に向かいます。乗合所には、バス停のようなポールはありませんでしたが、写真のような掲示がなされています。
乗車時刻から数分遅れて、バスがやってきました。トヨタのハイエースと思われ、7人乗りです。
乗客は私たちだけで、目的地まで、市外も通りながら直行しました。所要時間は20分ほどでした。

出発地の写真(芹沢台田(斎場入口))

バス停(乗合所)周辺の風景 乗合所
コミュニティバスのバス停と併設されています。

乗合所の看板 車両

下車地の写真(やよい会自治会館)

下車地の風景
住宅街の中に乗合所があります。
乗合所の看板
柵にくくりつけられているタイプです。

運行形態

365日毎日、7時から20時までの間いつでも予約して、利用できます。ただし、1台のバスで運行しているため、他のルートの人の予約と被ってしまう場合には先着順という形になるそうです。

現状と考察

茅ヶ崎市が公開している「予約型乗合バスの現状とアンケート調査報告について」というページを見ると以下のことが分かりました。

「1日あたりの利用者は20人程で、登録者も認知も増えているのにも関わらず(利用者数は)横ばい」
アンケートで他の交通手段の方が便利や乗り継ぎが面倒という意見が多く上がっていることからも分かるように、安さや融通のききやすさよりも速さや楽さの方が一般的に求められやすいと考えられます。

「客層は買い物を目的とした高齢者が基本である」
本来目的としていた層の人にとっては意味のあるサービスであったと考えられます。

「交通手段は未だ自家用車が5割と問題は解決されていない」
バスを乗り継ぐ必要がある、予約をして指定の時間に行く必要がある、ということをわざわざするくらいなら車で行った方が楽だと考える人が大半であるためだと考えられます。

乗車レポートにもあるように、私たちが乗車した時、他に乗客はいませんでした。これは、各個人が自分の都合に合わせて予約をするシステムである以上、起きてもおかしくない状況でもあります。しかし、どの時間帯でも常にこのような状態なのであれば、通常の4人用のタクシーのサイズの車両も用意した方が運行費用が減らせるのではないかと考えました。

感想

予約サイトも分かりやすく、料金も1人100円均一ととても便利な交通手段で、認知度も高いのにも関わらず利用者数は変わっていないといったことから、デマンド型交通は交通難民問題の解決の上では良策であるものの、劇的な効果を生むわけではない、と感じました。

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