English
 文字サイズ調整:
 大      中      小 
トップ>実例>関東鉄道竜ケ崎線(茨城県竜ケ崎市)

関東鉄道竜ケ崎線 ― 路線データ

関東鉄道竜ケ崎線は茨城県竜ケ崎市の佐貫駅から同じく竜ケ崎市の竜ケ崎駅までの4.5kmとを結ぶ路線です。1900年に開業し、駅数は3駅です。

乗車レポート

始発の佐貫駅より終点の竜ケ崎駅まで乗車しました。始発の佐貫駅はJR常磐線との接続駅で、駅前には商業施設や住宅が立ち並び、活気のある印象でした。乗車した列車は単行(1両編成)で、車掌の乗務しないワンマン運転でした。午前10時頃に乗車しましたが乗客は5~6人ほどで、まばらな印象が見受けられました。佐貫駅を出ると列車は住宅街を縫いながらしばらく走行し、その後一気に車窓が開けたかと思うとあっという間にブレーキがかかりました。列車は唯一の中間駅、入地駅に到着です。入地駅は待合室と短いホームを持つ小さな駅でしたが、2人の乗客が乗車しました。入地駅を発車すると列車は一面の田園地帯を突っ走ったのち、終点・竜ケ崎駅に到着しました。竜ケ崎駅では10~20人ほどの乗客が折り返しの佐貫行きを待っており、日中のこの時間帯においては佐貫→竜ケ崎方面の需要よりも竜ケ崎→佐貫方面の需要のほうが旺盛なようでした。竜ケ崎駅の前はバスロータリーや鉄道・バス車庫があり、一種の交通の要衝といった雰囲気でしたが、商業施設は軒並み閉店・開店休業状態であるなどさびれてしまっていると言わざるを得ない状況でした。

考察

運行形態

佐貫~竜ケ崎間を往復する単調なダイヤが組まれています。列車は日中毎時1~2本に対して朝夕毎時3本が運行されています。また平日朝夕時間帯は通常1両の列車が増結され、2両編成での運行となります。また、朝夕時間帯においては佐貫駅で接続するJR常磐線や、竜ケ崎線で接続する関東鉄道バスと連携したダイヤ設定となっています。このように、この路線においては通勤・通学を重視したダイヤが組まれていると言えます。

車両

車両は3両在籍しています。竜ケ崎線は非電化路線(電気が通っていない路線)のため、車両は全て電車ではなく気動車(エンジンで走る列車)です。3両の内の2両であるキハ2000形は1997年製造の新しい車両で、従来型の気動車と比べ格段に向上された燃費と操作の容易さを誇っています。残りの1両であるキハ532形は国鉄の旧型気動車をベースにした1981年製の古い車両ですが、エンジンが換装されるなどしており新型の気動車と遜色無い性能を持っています。

特筆すべき取り組み

ワンマン運転

竜ケ崎線は日本の鉄道において合理化のために初めてワンマン化を行った路線であり、その歴史は昭和46年まで遡ります。車両もワンマン運転を前提とし、佐貫側の運転台が向かって右側に配置されている(通常の鉄道車両は両方とも左側に運転台を配置)特殊仕様であることも特筆されます。他の鉄道会社と比べ、いち早いかつ徹底的な合理化が行われていると考えました。

サイクルトレイン

列車内に自転車を持ち込むことが出来るサービスが実施されています。通学利用が主体の路線ですので、自転車通学需要を考えたかなり優れた施策であると思いました。

感想

他の鉄道会社と比べて早い時期での合理化や、効率的な新型車両の導入など、関東鉄道が優れた施策でもって地方交通の維持を行っている様子が見て取れました。

戻る