アンケート考察
高校生向けアンケート考察
Q1より回答者のうちおおよそ3分の1がバイト経験者であったということが分かります。 高校生がバイトをすることに関しては約4分の3が賛成と答え、その理由として主に
・社会経験が積めること
・義務教育が終わっている以上働くかは自由であること
・親から少しでも金銭的に自立したいこと
の3点が挙げられます。 また、高校生がこの質問に反対する理由として学業との両立が不可能なことをあげる人がほとんどでした。さらに、約2割の人がどちらともいえないと回答し、バイトをすることには利点も欠点も存在する故、するか否かの判断は各々が置かれている状況を鑑みてすべきという意見が多くありました。
高校生がバイトと勉強を両立できると思うかという質問に対して、半数強が「はい」と回答しました。その理由としては自分が両立できているないし身近に両立できている人がいること、スケジュール管理も勉強のうちに入ることを挙げる人が多かったです。一方、反対意見としては、受験生にはバイトをする暇が存在しないこと、学業と部活の両立だけで手いっぱいであることを挙げる人が多かったです。
以下はバイトをしたことがある人のみへの質問です。
業種、期間に関しては多様な回答が見られました。今までしたバイトの数は1個が一番多く、その数が多くなるにつれ経験したことのある人数は減っていました。またバイトの数の最大値は8個でした。
バイトをしてよかったと回答した人が回答者の9割5分以上を占め、バイトをしてよかったと思わない人が一人も存在しないという結果になりました。
バイトをしてよかったと思う理由として、
・給与が出ること
・社会勉強ができたこと
・見識が広がったこと
・働くことの大変さを知ることができたこと
・お金の大切さを知ることができたこと
の5点を挙げる人が多くいました。
一方、バイトをしなければよかったと思ったことがない人が半分以上存在しているものの、しなければよかったと思ったことがある人も4割弱存在します。 思ったことがない理由として、主に職場の環境が良いこと、待遇に満足していること、見識を広げられたことなどが挙げられていました。思ったことがある理由として、勉強時間が削がれたこと、接客で不愉快な思いをしたこと、上司が不親切であったことなどがありました。
これらのアンケートよりスケジュール管理が高校生がバイトをする際の大きな障壁となっていることがわかりました。学生の本分は勉強をすることであるので、学業や部活と仕事を両立できるようなスケジュールをたててそれをこなすことは将来的にも重要になってくるでしょう。
バイト先の環境というと待遇を想像しがちです。実際に、勉強や部活とも両立しなくてはならない高校生にとって、バイトをする際に待遇の良し悪しは特に見極めるべきポイントのひとつでしょう。
しかし、職場環境は従業員だけでなく客層も、仕事の楽しさ、つらさに関わることがアンケートから読み取れました。このアンケートの「今までした業種(最長のもの)」の項目にあるように高校生が行うバイトの多くは接客業です。接客業において勤務時間中、最も多く接する人間は客であることがその要因であると考えられます。
大人向けアンケート考察
Q1の結果から、現在高校生より上の年齢であり、かつ高校生の時にバイトを経験したことがある人は全体の約3割であることが分かります。
また、Q2の結果から高校生の時にバイトをしていた理由として「自らの収入のため」が最多となり、次いで「社会経験が積みたい」、「興味のある職業であるため」、最も少ないのは「家庭の事情」となりました。選択肢以外の回答では「家族が経営する店の手伝い」などが見受けられました。 Q3では高校生の時にバイトをしなかった理由を調査しました。その結果、「校則のため」が最も多く、次に「学業に専念するため」、僅差で「部活動/学外活動に専念するため」、「家庭のルールのため」が続きました。
Q4では、もし自分の子ども(高校生)がバイトを始めたいと言ったらどう思うかについて回答を得た結果、賛成が約2分の1を占め、反対が約4分の1、どちらとも言えないは2割強となりました。
Q5でQ4の回答理由を調査したところ、賛成する理由として主に
- 社会勉強になるため
- お金の大切さを学べる機会となるから
- 学校での勉強では学べないことも学んでほしいから
の3つが多く挙げられました。
反対する理由としては
- 高校生ではまだ早いと思うから
- 高校生活でしかできないことに取り組んでほしいため
の2点が多く見受けられました。
また、どちらとも言えない理由として
- バイトを始める動機次第であるから
- バイトの業種、内容によるため
- 家族間でしっかりと話し合い、納得することができればと思うから
- 学業と両立できるならばよいと思うため
などが挙げられていました。
2つのアンケート結果を統合した考察
2つのアンケートどちらの結果でも高校生でバイトをしている/したことがある人は約3割であったため、高校生のバイトは大多数がしているわけではないものの、一定の割合で経験者がいることが分かりました。一方で、バイト経験者がそれ程多くはない背景には、校則で禁じられていることや受験生は勉強に専念したいと考える人が多いことが挙げられそうです。
バイトを始める動機としては自分で収入を稼ぎたいことはもちろん、社会経験を積む機会にしたいと考える人も多いことが分かりました。労働が可能となる一方、まだ社会人などと比較すると負う責任が軽い高校生のうちに社会経験を少しでも積むことで、将来就職する際などに役立てようとする人が多いと考えられます。将来にバイトの経験を活かすことを重視するのであれば、興味のある職業に絞ってバイトをすることも有効なのではないでしょうか。
また、バイトをする際にはスケジュール管理が大きな障壁となっていることが分かりました。学生の本分は勉強をすることであるので、学業や部活とバイトを両立できるようなスケジュールを立ててこなすことは将来的にも重要になってくるでしょう。
実際のアンケート結果でも、自分の高校生の子どもがバイトを始めることに反対・どちらとも言えないとする人々からは学業との両立が条件であったり、高校生活でしかできないことを優先することを望む声が多く見られました。また、高校生の時にバイトをしなかった理由としても「学業に専念するため」が2番目に多く挙がりました。
高校生が対象のアンケートにおいても、バイトと勉強の両立は可能であると答えた人は半数強であり、できない・どちらとも言えないと答えた人も少なくありませんでした。また、高校生自らがバイトに反対する主な理由として、学業を優先するべき・両立は困難であるという意見が目立ちました。 よって、保護者・高校生のどちらの立場にあっても、「勉学との両立」はバイトを始めるか否かを決断する主要なポイントとなっていると言えそうです。大学受験を控える学生は将来を考慮して勉学に専念するケースも多いと考えられます。
また、バイト先の環境というと待遇を想像しがちです。実際、勉強や部活とも両立しなくてはならない高校生にとって、バイトをする際に待遇の良し悪しは見極めるべきポイントのひとつでしょう。待遇の良し悪しは学校行事などで休むことがあるなどの、「学生ならではの事情を考慮したシフトを組むことができるか否か」などの基準に基づいて判断するのが良いのではないでしょうか。
しかし、職場環境については待遇や周囲の従業員だけでなく、客層も仕事の楽しさ・辛さに大きく関わることが読み取れました。このアンケートの「今までした業種(最長のもの)」の項目にあるように、高校生が行うバイトの多くは接客業です。接客業の勤務時間中に最も多く接するのは客であるため、接客でストレスを感じるとバイトに対するモチベーションも下がり、バイトが辛いと思う傾向にあると考えられます。
さらに、バイトを実際にした人の意見をまとめると、バイトをして良かったと思う人が全体の9割5分に上ることから、概ねバイトをしたことで良い影響がもたらされていると考えられます。しかし、バイトをしなければ良かったと思う理由として、先述した客層についての問題などの、バイトを始めてからでないと判断ができない要素が多数となりました。
つまり、バイトを始める前に学業や部活動との両立を考慮してから働き始めたとしても、実際の職場環境などに左右され、必ずしも満足のいく結果に終わるとは限らないことを念頭に置く必要があると考えられます。
しかし、万が一店長などの上司による不適切な指導・給料の未払いなどの不当な扱いを受けた場合は、バイトなどの非正規労働者にも適用される労働者の立場を保証する法律があること、また各法律の内容を理解しておくことで、個々の事例に合わせた対応を取ってもらえる可能性が高くなります。よって、高校生自らが自発的に労働関係の知識を身につけることで待遇の改善を図ることができる可能性があるのではないでしょうか。
まとめ
高校生のバイトは、本来学生の本分である学業との両立や受験勉強との兼ね合いなど考慮すべきことが多い待遇に関しては、学生であるが故の予定などにも柔軟に対応してくれる職場を選ぶと良いのではないか
特に高校生のバイト先に多い接客業などは顧客の対応が必須であるため、客層への不満の有無が職場環境の良し悪しにつながることが多い。しかし、これらの問題は働き始める以前に把握し防ぐのは難しい問題であるため、常に満足のいく結果に終わる訳ではないことを受け入れる必要がある
バイトなどの非正規労働者に対しても、不当な扱いを受けた際に労働者の立場・権利を守るための法律が存在することを事前に学び、内容の理解もしておくことで自ら待遇の改善を行うことも可能になる